断腸亭料理日記2017

日比谷・フレンチ・

アピシウス その1

10月9日(月)体育の日 夜

断腸亭としては珍しい。
フレンチ、で、ある。

それもちゃんとした。

先日のNHK「プロフェッショナル」に出ていたところ。
ソムリエ氏が主人公であったが。

以前は、牛込界隈のビストロの¥1,000ランチに
よく出かけていたのだが、最近はそんなところにすら
めっきりいかなくなった私であるが、ちょっとこちらには
興味をひかれた。

調べてみるとここは「王道のフレンチ」を標榜している
とのこと。これに興味を持ったのである。

もちろん、私などフレンチを語るほどの知識も経験も
持ち合わせていないのだが、その数少ない私のフレンチ履歴の中でも
“王道の”“正統派の”というような枕詞がついたものではなく、
“現代風の”“新しい”といった修飾語で紹介されることが
多い「ヌーベルキュイジーヌ」というジャンルのレストランばかり。

当たり前だがお客を呼ぶために、より新しいものを
目指さねばならない。

そんな中で、バター、生クリームたっぷり(?)「王道の」は
是非経験してみたくなったのである。

場所は日比谷というよりは、有楽町といった方が
わかりやすい。
JR有楽町駅の西側で、お濠と駅のちょうど中間あたりのビルの地下。

前日であったが、ここのホームページから予約ができた。
この時に、コースも予約をしてしまう。

\13,000から3つあり、一番上が\27,000。

こんな機会は滅多にないので、一番上にしてみた。

祝日の夜。

予約時刻は17:30。

銀座線で銀座まで行き、この店まで歩き。

ドレスコードがあるので、革靴に、上着。

5分前に到着。

店のエントランス。

よいであろう。階段を降りる。

降りると、黒い上着にスカートの女性、
そして、番組に出ていた、ソムリエ氏が出迎える。

名乗る。

5時半開店であるが、こんな早い時刻に予約をする者は
さすがにいないであろうと思っていたが、案の定、
最初の客。

ネットのみで電話は一切していないので、多少大丈夫かと
不安もあったが、問題なく予約はできている様子。

ソムリエ氏が、お手洗いはいかがですか、と、聞く。
そういうものなのか、わからぬが、内儀(かみ)さんは、
入り、私は、促されて、付属のバーのソファーへ。

お客もいないが、静か。
落ち着いた、木調のインテリア、アールヌーボーのよう。
目立たないが、きれいに畳まれた新聞が置かれている。

ここだけは、喫煙可のよう。

内儀さんが出てくると、席に案内される。

一番奥、壁際、左側。

予約をしていたコースの中身が書かれた紙がテーブルに
置かれている。

最初に出迎えてくれたソムリエ氏ではなく、
おそらくテーブル担当のソムリエ氏が、食前酒を聞く。

フレンチもワインも、まったくの素人。

どこへいってもビールですましているのだが、
さすがに、ここでは場違い。
少なくとも、ワインは白赤、二杯は飲まねばならぬか。

どうもワインは酔っぱらいやすいので、最後まで飲めなくなる。
食前酒はやめて、水を。

オリーブが出される。

これがなかなか、うまい。

オリーブは苦味があったり、またはオイリーな感じがするものが
あるが、これはかなりさっぱりと食べられる。

つまんでいると、先のソムリエ氏、また聞きにくる。
もちろん、二杯目以降のこと。

まったく素人で、酒に弱いことも正直にいって、相談。

常道で、白、赤。

少し考えて、

ん!。白ならば、シャンパンはいかがでしょうか?、と。

あ、それはおもしろいかもしれない。

シャンパンは食前酒、なのであろうが、
ちょっと特別感もある。

白いブドウだけで作ったもの、という説明でついでくれた。

シャンパンが白いブドウだけで作ったものではないことすら
知らなかったこちらだが、いわれて飲んでみると、ブドウの味を
感じられるさわやかなもの。

一品目、アミューズ。


「鮎、蛸、鱧、の冷製アラナージュ仕立て」

とメニューにはある。



つづく



アピシウス

千代田区有楽町1-9-4 蚕糸会館 B1F
03-3214-1361


 


    

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