断腸亭料理日記2017

富山駅前・廻転とやま寿司

10月24日(火)昼

富山出張。

昼は富山駅前の回転ずしにすることにした。

[富山駅前・廻転とやま寿司]というところ。

昨年一度きている。

回転ずしほど、東京と地方の差が激しい業態も
なかなかあるまい。

私自身、日本中くまなく行っているわけでも
ないのだが、例えば、仙台、北海道、そして、
金沢、富山の北陸。
皆、うまくて安い。

もちろん、地方でも回転ずしではなく、普通の鮨やで
銘店、老舗はあるのだがお手軽に鮨を食おうと思うと、
回転ずしになる。
そのレベルが、東京とはべら棒に違っている。

回転ずしでも、いや、だからというべきか、
地方は、地の旬のものを置いている。
従って、まっとうだし、安く、うまい。

これに対して、東京の回転ずしは、大きな違い。
ついでなので、話がずれるが、お許しを。
あるものは輸入物、冷凍もの、まあ、どこで
いつ獲れたものかもわからない怪しいもののオンパレード。
むろん、そういう業態にはちゃんとユーザーがいるので
別段、文句をいわれる筋合いもない、というのであろうが、
私自身は行かないし、日本の魚食環境にとっては、
やはりよいことだとは思えないのである。

安さや、種の大きさ、例えば、うに、いくらの軍艦の
盛りの大きさを売りにしたり、、、。
世界中から、安く魚をかき集め、まさにグリーディー
(greedy、貪欲)。そして食べ尽す。
中・台船の秋刀魚の獲りすぎを全く責められないことを
当の日本が今までなん十年もしてきている。
その顕著な形が、東京の回転ずしだと思うのである。
別段、東京の回転ずしだけを責めるわけではないが
漁業資源に対して、節度を持って持続可能な獲り方、
食べ方をするように、我々自身が変わっていかなければ
いけないと思うのである。
世界中の魚を食べ尽すのが、我々の食文化であっては
断じてならないはずである。

いきなり、余談が長くなってしまった。

富山駅前の回転ずしであった。

南口を出て、駅前の道を左に曲がって向こう側。

12時半頃、入ると、私のような出張ビジネスマンというような
人々でにぎわっている。

前回同様、上ランチにぎり1,814円也を頼んでみる。

全10個。


なかなかの充実っぷりである。

上、左から、生まぐろ、あおりいか、鯵、鯛、○○
(白身だと思うが、忘れた)。
下、同じく左から、がんどぶり、はがつお炙り、きじはた
かにみそ軍艦、ほたるいか沖漬け軍艦。

そして、とろろ昆布のお吸い物。


まずこのお吸い物。
昆布、というのは富山では北前船の関係で
豊富でかつ、好まれている。
お分かりになろうか、蜘蛛の巣のような昆布ではなく
平たい昆布を削ったものがわかるようなもの。
よいものなのか、、わからぬが。

さて、肝心のにぎり。

うまかったのは、生まぐろ。
富山湾であがったものであろうか。
この柔らかさ、ちょっと中トロで、絶妙にうまい。

あおりいかは、ちょっと歯ごたえがある。

きじはた、というのは名前の通りハタの仲間だそうな。
ねっとりとした、白身。

それから、がんどぶり、なるもの。
これはぶりの子供と説明されたが、わかし、いなだ
などと関東ではいうが、そのくらいであろうか。
処理がいいのか、脂はないがこれもなかなかの味。

はがつお。
これは、私は初めてだが、あまり出回らない魚のよう。
かつおとさばの中間のような類らしい。

ほたるいか軍艦。
これ、うまいのだが、鮨で食べる必然性はほぼなかろう。

追加で、好物、かわはぎ。


やっぱり、これが最高である。
かなりよいもの?、なのか。
堪えられえぬうまさ。

そして、ちょっと珍しかったので秋かます。

これはちょっとピンとこなかった。
ひょっとすると、上の中の名前の忘れたものが
これだったかも。

かますというのは、そもそも、関東では
刺身ではあまり食べぬ。
“秋”とあるのは、なにかわけがあるのであろう。

以上。

やっぱり、なんにしても富山の回転ずしは
うまいもんである。

昨年よりもさらにうまくなっている
ようにも思う。

今日の客の入りを見てもそうだが、
流行っていると、魚の回転もよくなるだろうし、
職人の張りも違うであろう。

これから、ぶりの季節。
また、こちらは昆布〆も多用する。

あ〜、しばらくご無沙汰だが、
また金沢の[あかめ寿司]にもいきたいな。





富山市桜町1丁目1-4-9
076-431-5448


    

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