断腸亭料理日記2019

小肌とやりいかのにぎり鮨 その1

1月19日(土)夜

さて。

午後、吉池をのぞく。

目に留まったのは、開いた小肌。

開いたもの。

小肌はかなりの割合で、吉池にあるのだが、
開いたものはいつもというわけではない。
このところ、置いているのに気が付いていた。

作ろうか。
〆て、鮨を。

実は今日浅草の[弁天山美家古]へ行こうと思って
TELをしたのだが、予約で一杯であった。
このところ当日はもちろんだめで、先もずいぶん
埋まっているようである。

まあそれで、手間はかかるが
やってみる気になったのである。

ちょうど、パック入りの生のやりいかもあった。
これも、煮いか、にぎり鮨にできる。

購入し帰宅。

小肌は五枚。1枚70円。
安いものである。

それに対して、やりいかは高いものである。
イカ類は少し前から全般的に高価。
函館などのするめいかの不漁はよく報道されている。

そういえば、暮れあたりからタコの不漁、高騰も
報道されている。
困ったものである。
タコ・イカ類はほぼ養殖はされていないと思われる。
タコはともかく、イカ類はよく獲れて安かったからか。
気候の変動などで、獲れるものも変わっているし、
漁業のサステナビリティーなどを考え、食べたければ、
養殖の取り組みを進めるしかなかろう。
イカもタコも、世界的には食べていない人々も多い。
大坂名物タコ焼きも屋台のイカ焼きも庶民のもので、もちろんうまい。
イカ・タコ食は固有とは言えないが、大切な私たちの
食文化であり、是非とも守る必要があろう。

さて、一方、小肌。

開いたもので、一枚70円。
これは安い。
開いていなければ、50円程度か。

小肌というのは、江戸前のにぎりでは欠かせないものだが、
酢〆にする以外食べ方がないので、一般にはそうニーズが
ないのであろう。

開くのは、一度やったことがあるが、小さな小肌は
かなりの手間。きれいに開くのもむずかしい。

開いたものがあると、ありがたい。

小肌にはまずは、塩。

白くなるほどたっぷり。

これも少し前、NHK「あさイチ」で鯖をやっていた。

塩をたっぷり?!。

たっぷり振るとよく〆るのはわかるのだが、
塩辛くなり、塩抜きをしなければならない?!。
塩抜きやら、意外にこのあたりのこと、一般のレシピには
書かれていないのである。

「あさイチ」のレシピは和食の篠原武将氏。
割烹、銀座[しのはら]のご店主。
こういうプロ中のプロのレシピであれば、信頼性抜群である。

ポイントは塩をして置いた後、同量の水で割った酢で
仮漬けをする、というところか。
この後、本漬けもするのだが、仮漬けは塩抜きの意味も
ありそうである。

一度、旧臘、実際に鯖でやってみたが塩辛くもならず、
うまい〆鯖ができた。(この冬の鯖が脂がのってうまい。)

TVで篠原氏もいっていたが本漬けは、実際にはしても
しなくともよさそう。
酢の入る量はこのやり方をしても変化しないからであろう。
私は、仮漬けのみにしたが、十分であった。

さて、そんなわけでたっぷり振る。
ちょっと少ないようにも見えようが、途中で足してもいる。

その間に米を洗って浸水。

やりいかは内儀(かみ)さんにさばいておいてもらう。
いかをさばくのは、なぜか内儀さんは得意にしている。

鯖の篠原氏レシピでは1時間だが、念を入れて2時間。

だいぶ水は抜けた。

洗って、水と同割の酢に漬ける。

これは30分。

いかを茹でる。

煮汁をたれにするので、煮詰めやすいフライパンを使う。
穴子同様、煮いかにはたれが必須。

小肌。色も変わって、十分漬かっているだろう。

酢からあげて、ペーパータオルでよくふき取る。

鯖も然りだが、小肌も本当は酢に漬けた後、一昼夜
置くのがプロのセオリー。篠原レシピの鯖でもそう。
だが、もちろん、すぐに食べたい。
網にのせて置いておく。

このあたりで、飯を炊き始める。
浸水はしてあるので、酢飯・カタメモード。

やりいかの煮汁に砂糖、しょうゆ、酒を入れて
煮詰める。

トロトロになるまで。

 

 

 


つづく

 

 

 

 

 

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