断腸亭料理日記2019

断腸亭ハワイ島へ行く。その2

引き続き、ハワイ島。

一日目、午前、ホテルに着いてすぐに寝てしまった。

起きたのは16時頃。

むろん、まだ明るい。

今回の旅は、書いたようにワイピオ・バレーに行くことだけを
決めているが、それ以外は、ブラブラしようと考えていた。

レンタカーの予約は明日と明後日の二日間にした。

従って、今日は、ブラブラ、でよろしかろう。

カイルア・コナの街の中心部というのはさほど広くない。
海岸沿いに、ホテル、レストラン、ショップなどが
並んでいる。

中心の桟橋あたりまで行ってみようか。

スーパーへいって、買い物もしたい。

短パンにTシャツで出る。
ホテル前。

雲はあるが日は出ている。

カイルア湾沿い。

波はおだやか。

後から考えてみると、この日が一番おだやかであったようである。

まずは、コナの地ビール、コナ・ブルーワリーを目指す。
ホテルから15分、20分ほど。

コナ・ブリューイング。

コナビールは日本でも買うことができる。
以前にコナにきた時に呑んで以来、気に入って、
見かけると買っている。

ここは売店やビールの呑めるレストランがあるが、
レストランは待っている人も多い。

レストランの方に入ってみようかと思ってきたが、
あきらめ、スーパーを探す。

ここの隣の隣が、KTAスーパーストアーというスーパーであった。

瓶のコナビールを買おう。

他に、デリもある。サンドイッチ。
玉子サンドとツナサンド。

アメリカっぽいターキーのものもむろんあるが、
こんなものもある。
これ、晩ご飯にしよう。

調べるとここ、やはり。
1916年(大正5年)日系人Koichi Taniguchiさんと
Taniyo Taniguchiさん夫妻がヒロで創業の食料品店がスタート。

今はハワイ島に7店舗あるチェーンになっているよう。
Koichi TaniguchiでKTAなのか。

夫妻は一世であろうか。

後にも出てくるが、食品スーパーは日系の経営が多いように
見える。

再び、カイルア湾の桟橋まで降りてくる。

桟橋の隣に、こんなものがある。

カマカホヌという米国国立歴史建造物。

これ、ハワイ王国統一の、あのカメハメハ1世の
晩年の住まいを再現したもの。

実は、明日行ってみようと思っている、ワイピオ・バレーは
そのカメハメハ1世が若い頃すごした場所、といわれている
ところなのである。

カメハメハ1世は1758年(宝暦8年)、このコナの北、
ハワイ島北西部のコハラ生まれといわれている。
意外に古いというべきか。我が国の宝暦は田沼時代。
その次が松平定信の寛政、そして文化、文政、天保となる。

ハワイ王国。
悲劇の王国というべきか。

カメハメハ1世のハワイ諸島統一が1810年(文化7年)。
一世の子孫、カメハメハ王朝はカメハメハ5世まで。
その後2代の王があり最後は1893年(明治26年)
リリウオカラーニ女王の時に米系白人らによるクーデターで
王国は倒され、その4年後、米国により併合されている。
ハワイ王国はわずか8代、80年ほどになる。

我が国とハワイというのはご存知の通り、関係浅からぬものがある。

明治からの日本人移民とその子孫達日系人は戦前までに人口の
40%を超えていた。また、太平洋戦争の戦端を開いた我が国による
真珠湾攻撃、あるいは今も大挙して正月休みに芸能人などが遊びに行く。
だが、ご存知でもあろう。ひょっとすると、ハワイは
米国ではなく、我が国と同じ国であったかもしれぬ
という歴史もあるのである。

最後のリリウオカラーニ女王の一代前、カラカーウア王は
明治14年(1881年)、来日。姪のカイウラニ王女と皇族の縁組、
ハワイ王国と我が国の関係強化、さらに連邦設立を明治天皇に
申し出ていた。
明治政府は当時既にハワイを太平洋上の軍事、経済上重要な
拠点として多大な興味を示していた米国との関係を考え、丁重に
お断りをしていた。

カラカーウア王は、米国に飲み込まれるよりも我が国と連邦を組む
ことを魅力的に感じていたということである。

今回の旅の参考書にしたのは矢口祐人先生(東大教授)の
「ハワイの歴史と文化」

「ハワイ王国」。

日本人は誤解をしてはいけない。矢口先生も書かれているが、
ハワイの日系人は日本人ではない。
米国民として日本との戦争も経験し、100年以上のハワイでの歴史を経た、
ハワイのジャパニーズである、と。
我々日本にいる日本人からは同胞と見えているかもしれぬが
決してそうではない、と。
そんなことも踏まえつつ。

 

 

 

 

コナ・ブリューイング

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

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