断腸亭料理日記2019

台風は行きすぎました。

幸い、拙亭も私の住む東京台東区付近も目立った被害は
ありませんでした。
東京でも多摩川の氾濫などあったとの報道。
それ以上に、被害は広範囲。
長野の千曲川、埼玉の荒川水系、福島さらに宮城の
阿武隈川等々で甚大な被害が出ているよう。
亡くなられた方々にお悔やみと、被害に遭われた皆様に
お見舞い申し上げ、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
また、辛く苦しい日々であろうこと。寒くもなりお身体を
ご自愛いただけますことお願い申し上げます。
断腸亭

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私の住む東京東部は、隅田川はじめ、荒川水系。
台東区はじめ、東部は水害の歴史は記憶されている。
大正時代であったか、新堀川もあふれ、浅草本願寺前で膝辺りまで
水に浸かっていた写真を見たことがあった。
ハザードマップにも載っている。
大潮、満潮、からの高潮、これに荒川水系上流地域での大雨で
最大で10mを越える可能性も、と。
今回、大潮に満潮、広範囲での大雨と条件がぴったり合っていたので、
隅田川、荒川の増水状況は夜もネットで見ていた。
結果、上流であふれ、下流の東京などではなんとか持ちこたえていた。
これはどういうメカニズムであったのか。
検証はされると思うのだが、是非、公開、報道してほしい。

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赤酢で稲荷ずし

10月11日(金)第二食

稲荷ずしが喰いたくなった。

先日の赤酢の酢飯でやってみるか。

台風が近付いている。
関東直撃、前回の15号より大きいという。
接近、上陸は明日の夜。
今日は、まだ大丈夫であろうが、準備の日。
といっても、マンション八階住まいの私などたいしたことはない。
ベランダの植木鉢をちょっと奥に入れる。あるだけのペットボトルに
水を入れ、冷凍室と入らないものは、そのまま置いておく。
風呂桶にも水は張ってある。懐中電灯のありかを確認。
カセットコンロのボンベもあるし、火鉢用の炭もストックが
たくさんある。カップ麺、袋麺なども買い置きがある。
まあ、こんなとことでよろしいか。

さて、稲荷ずし。

蓮根と油揚げを買ってくる。
蓮根はシャキッとした歯ざわりがほしいので、先端のもの。

私も最近知ったが、TVでやっていたのを視た。
蓮根というのは、蓮の地下茎だが、株から先端に近い方向に
向かって、でんぷん質が行き渡る。

それで、株に近い方が、太く、でんぷんが多く、火を通すと甘く、
いわゆるホクホクになる。
こういう部分は厚めに切って、天ぷらなどが向く。
これに対して、先端に近い方は、でんぷん質が少ないので
シャキシャキとした食感になる。

稲荷ずしには酢蓮(スバス)にして入れるが、シャキシャキがよい。
それで、先端に近いところのものがよい、ということになる。

蓮根は切って売られている。
見分け方は尖っていたと思われる方が、先端ということになる。

それで今日は、先端と思われる細くなったものを
買ってきた。

午前中から、米を浸水しておく。

蓮根はこんな感じ。小さくて尖っていたと思われるところ。

先に半分に切った油揚げの油抜き。

ゆがく。

湯を切って、酒、しょうゆ、砂糖で煮〆る。
気持ち、薄めを目指す。もちろん、濃いめ好みの私の味覚で
で、ある。

蓮根は薄く切る。
1mm以下か。

蓮根も赤酢を使おう。

水にちょいと赤酢を入れる。

このままレンジ加熱。

火が通ればよいのだろう。
様子を見ながら、2〜3分。

OK火は通った。
このままでは、酢が足らぬ。

赤酢と塩を足して、漬けておく。

夕方、スメシモードでお釜のスイッチオン。

鮨酢の用意。

一合、鮨酢40mlの内、前回の反省を生かして、透明な穀物酢と
赤酢の半々に塩をちょいと入れて、用意をする。

炊飯器が切れて、例によって、7〜8分の蒸らし。

一合分を飯台に取って鮨酢を合わせる。

このくらいであれば、粘度が高く、混ざらないという
ことはないのだが、、、、

だが、どうしても白いところが残ってしまう。

混ぜすぎもいけないので、適当にやめる。

もしかすると、普通の透明な酢で酢飯を作っていた時にも
完全に混ぜられていなかったのではなかろうか。

つまり、赤酢で色が付いているので、混ざっていない
のがわかってしまう、ということかもしれない。

ここも7〜8分。

稲荷の酢飯には、白胡麻が入るといいか。プラパラ。

煮〆た油揚げ、つゆを絞る。

にぎり鮨同様、手を水で湿らせる。
一つ分と思われる酢飯を手に取り、油揚げを広げ、
先に蓮根を一枚入れ、酢飯を詰める。

別段難しいことはない。
足りなければ足せばよいし、多ければ、減らせばよい。
1/3程度入れて油揚げを折る。

できた。

ふむふむ。
やはり赤酢はよい。
半割で今日は酢飯を作ったが、うまみは濃い。

甘みではなく、うまみ?。
近いが、違う、と思うのである。

東京の鮨やでは、鮨酢に砂糖は入れない。
私も今まで透明な酢でも入れてこなかった。
全国的にはプロも砂糖を入れる方が多かろう。
私には、東京以外の鮨はどうしても甘く感じる。
レシピ集などを見ても、砂糖は入る。

東京の味覚では砂糖は入れないが、うまみは加えたい。
私はやったことはないが、昆布を入れるというのもあるようだが、
あれはどこのものか。わからぬが、やっぱり、赤酢。

一方、先日のにぎりでもそうであったが、透明な酢よりも
しょうゆとの相性がよりよいように感じた。気のせいであろうか。

もう少し赤酢を使ってみて考えよう。

 

 

 

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