断腸亭料理日記2021

浅草・弁天山美家古寿司 その1

3883号

6月25日(金)第二食

さて、金曜日。

今日は、鮨。

鮨といえば、最近はもうここ一本。

浅草弁天山の[美家古寿司]

当日TELを入れたので、テーブル席。

5時半の店からの指定。タクシーで向かう。

馬道、伝法院通りの交差点で降り、店へ。

自動ドアを開けて、店内へ。

名乗り、親方と若親方に挨拶をして奥の
テーブルへ。

座って、瓶ビール。
キリンラガー。

お通し。

右が北寄のひも。

左がおまけのすみいか下足。
上にのっている黄色いのは菊の花びらか。

いつも通り、コースではなく頼む。

まず、つまみ。
たこ。

たこを一人前を頼んだら、頭。

二人前はあるのかもしれぬ。
気を利かせてくれたよう。
おそらく、若親方。

塩、で、ある。

そして、見た通り、ゼラチン質のような部分がある。
ここ、ひょっとすると、生ぐさくなる、
のであろう。
が、さすがにそんなことはなく、おもしろい
食感で、うまい。

次は、平貝磯辺焼き。

先日も書いたが、平貝は貝の中でも
好みの部類。

かなり薄く切って炙ったもの。
真ん中に添えられているのは、ゆず胡椒。
お好みで、と。

食べてみたが、ゆず胡椒は、ない方がよい。
強すぎるだろう。
オーソドックスなしょうゆと海苔で。

もう一品、鰹。
鰹は、にぎりよりも刺身がよいだろう。

プロのものはさすがに違う。
あたり前であるが。

みずみずしさもさることながら、
かなり柔らかい。
しょうがと和辛子と両方出される。
和辛子がうまい。

最近、鰹の刺身がほんとうにうまい、
と、思うようになってきた。

子供の頃から親父の好物であったので
よく食卓にのぼっていたが、血なまぐさく
あまりうまいと思わなかった。
まあ、子供がうまいと思うものではなかろうが、
あまりよいものを食べていなかったのかもしれぬ。

ご存知、

目には青葉 山ほととぎす 初鰹 素堂

歌舞伎や落語の「髪結新三」にも物語の
重要なアイテムとして初鰹は出てくる。
時期は端午の節句。

初鰹というのには、もうずれているようだが、
旧暦なので6月。そう違ってはいない。
ちなみに今年は6月14日であったよう。

初鰹というのは、この通り江戸っ子の大好物。
初鰹を食べるために、見栄を張った、という。

こんな血なまぐさいものを、と、
成人しても、私はほぼ理解が
できなかったのである。

原因は血合いを取らなかったから。
スーパーで買うサクにも血合いは必ず付いている。
皆さん、どうされているだろうか。
子供の頃の家で食べたものも取っていなかったのでは
なかろうか。
書いている通り、スーパーのものでも
血合いを完全に取れば十分食べられる。
取った血合いは捨ててはいない。
オリーブオイルで煮て食べている。
自家製ツナ缶、で、ある。
これににんにくを入れればアヒージョになる。
これもうまい。

閑話休題。

頼んだのつまみは、ここまで、なのだが、
もう一つ、出してくれた。

これ、なんだかおわかりになろうか。

すみいかの子。
真子と白子の両方。

夏前の今、いかの産卵期。
湯通ししたのものであろう。
やっぱり、生ぐさそうだが、むろん
そんなことはない。
ちょいとした珍味。

 

つづく

 


弁天山美家古寿司

台東区浅草2-1-16
03-3844-0034

 

 

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