断腸亭料理日記2022

蔵前・中華蕎麦・麺屋上々

4233号

12月19日(月)第一食〜

さて、ここ。

蔵前、国際通り沿いのラーメン店。
[麺屋上々]。
上々はジョウジョウと読む。

開店は2020年6月。
元浅草の拙亭から至近といってよい。
むろん、開店から知っていたが、入ったことは
なかった。なんとなく入りたくなる雰囲気を感じなかった。

いつ頃からであろうか、このところ、列を見かけるようになり
入ってみなければ、と思うようになった。

事前に調べてみると、どうも鴨が看板のよう。
ラーメンで鴨!。

前にもちらりと書いているが、最近、このあたりでも
鴨を看板にするラーメンやいくつかできて、
列になっているところもある。
私は一応、どこも食べてはいる。
が、どうも鴨×ラーメンに私は?クエッションマーク
を付けてきた。それでここにも書いていない。
ラーメンに鴨は合わないのではないか、と。

鴨といえば、真っ先に蕎麦が思い浮かぶ。
鴨南蛮、鴨せいろはうまいものである。
好物といってよい。

が、鴨のスープというのが、中華麺になのか、
合わない?、、、。

確かに、マーケティング上の差別化として
鴨というのは、わかる。
そりゃぁ、新しいので、誰もが一度は食べてみたいと
思うだろう。私もそうであった。
が、しかし、なのである。
どこの鴨ラーメンを食べても、これ、どこを目指しているのか、
と思われてくるのである。
マーケティング上のコンセプトではなく、味である。
もちろん、まずくはない。が、鶏、豚骨、にぼしなどなど、
現在主流のラーメンスープに伍して、優っているか、と
考えると、そうでもない、と。

ともあれ、ここも一度味見をせねばと、考えた。

まあ、マイナスから入ってしまうのはよろしくない。
できるだけ、フラットに。

国際通りと春日通り交差点のちょい南、東側。

白基調で明るいが飾り気のない店内。
入った左に、券売機。
ご飯ものも含めて、かなりのメニュー数。
ラーメン塩、しょうゆ、つけそば、まぜそば等々。
これにトッピングも色々。
スープも具も鴨。
鴨尽くし。

シンプルそうな、塩でいってみようか。

ちょっと高いカウンターに掛ける。
くの字のカウンターにテーブルもあり、意外に広い。
中の厨房も広く、料理人の短髪の男性と、白人?と
見える、女性の二人。ちょっと驚いたが普通に日本語を
話される。
お客は、女性も少なくない。さもありなん。

カウンター上には蘊蓄もりだくさんのPOP。

スープベースは鴨オンリーだが、たれには魚系、野菜系も
入っているよう。

きた、塩。

鴨肉三枚。白髪ねぎに黄色いのはゆず。メンマ、青菜は
小松菜のよう。黒いナルトが目を引く。

アップ。

麺は細目のストレート。低加水で堅め、伸びやすいので
注意とのこと。

スープは鳥のもったりした感じが少しあるが、十分にうまい。
鴨というのは、いわれなければわからないのではなかろうか。
もしかすると、抑えているのではなかろうか。

鴨肉はのっているが、いざ麺をすすると、まったく
鴨、鴨していない。
やはりちょっと構えて食べ始めたが、完全に認識は
プラスに変わった。

よし!。これは明日もきて、しょうゆも食べねば!。

さて、帰ってから、もう少し調べてみた。
蔵前うしろまえ

ご主人は中華の修行を振り出しに、シンガポールのイタリアン、
日本の有名ラーメン店などなど、ちゃんとした料理人と
いってよいよう。
女性の方は、日本人のお母さんとアメリカ人のお父さんの
ハーフとのこと。なるほど。

翌日。予定通り、ノーマルなしょうゆ。

アップ。

のっているものはナルトの色が違うくらいで、同じよう。

スープをのみ、麺をすすると、む!。
これは、塩より上。

やっぱり、鴨っぽいものは感じられない。
これは塩以上ではなかろうか。
うまいバランスの取れたしょうゆラーメン。
これであれば、近所のラーメンやとして
十分に通える。

やっぱり、鴨らしさを出さないようにしている
といってよいのではなかろうか。
そして、それは塩以上に?。

ちょっと言い方を変えると、鴨の中華麺に合わない部分を
出していない、とも。

鴨らしさ、というのはなんであろうか。
鶏にはない香り。野性味?、場合によっては血の味?。
脂も、鶏よりも濃いというのか、やはり違う香りがある。
こういったものを排除しているのでは?。

かん水の入った小麦の麺とやはりそれほど
相性はよくないのではなかろうか。

牛や牛骨もあまりラーメンにしない。
やはり、あまり合わないのであろう。
ラーメンに合わない素材も確実にある。

いかがであろうか。

 


twitter

台東区蔵前3-17-3 SIビル1F

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。

 

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月 |

2020 12月 | 2021 1月 | 2021 2月 | 2021 3月 | 2021 4月 | 2021 5月 | 2021 6月 | 2021 7月

2021 8月 | 2021 9月 | 2021 10月 | 2021 11月 | 2021 12月 | 2022 1月 | 2022 2月 | 2022 3月 |

2022 4月 | 2022 5月 | 2022 6月 | 2022 7月 | 2022 8月 | 2022 9月 | 2022 10月 |

2022 11月 | 2022 12月 |

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2022