断腸亭料理日記2023

浅草担々麺十吉樓/ぶり照りともろきゅう

さて、今日は二本。

4296号

3月9日(木)第一食

浅草・担々麺[十吉樓]

ここ。
まだ新しい。できたのは、昨年10月。
場所は、浅草田原町、旧仁丹塔の交差点。

田原町の仁丹塔というのを知っている方は
そう多くはないかもしれぬ。
雷門通りと国際通りのT字路交差点の突き当り、
今、ファミリーマートになっているところに
立っていた、仁丹の高い広告塔でランドマークに
なっていた。
塔が解体されたのは昭和61年(1986年)。
その後も仁丹の広告は残っていたが平成12年(2000年)に
これもなくなっている。
大正時代の関東大震災後に取り壊された浅草の
ランドマーク浅草十二階(凌雲閣)を模して昭和7年
(1932年)にできたのが最初のよう。

私にはやはり今でも仁丹塔の交差点という言い方が
しっくりくる。
で、この交差点の南東の角。
横断歩道の前に太鼓、お神輿の店が目立つが
そのさらに交差点側の角、三角形の狭い店。

開店してから、なん度かきている。
外に、秩父地粉使用と書いてあるのが目を引く。

私自身、うどん、パンなどでもあるか、
小麦粉の産地、品種などについていわれる
ことがあるが、あまりピンとこない。
まあ、正直、あまり違いはわからない。

担々麺専門。
スープのものもあるが、暖かくなってきたので
今日は、汁なし。
辛さが選べるが、ノーマルなもの。

きれいに盛り付けるものである。

一番上に載っているのが、干し海老?、小さいので
アミかもしれぬ。白髪ねぎ、挽肉、メンマ、ナッツは
カシューナッツのよう。

よくかき混ぜる。

驚きの、平打ち麺。きしめんか、フェットチーネ。
中華麺ではまずここまで平たい麺はみないのでは
なかろうか。
食感がおもしろい。

花椒が入っているのかもしれぬが、気付かぬ程度。
辛さも抑えたので、うまい混ぜそば。

この店、北向きというのもあるし、店中の色使いも
アンダーなので、なにか暗い印象なのである。
年嵩(としかさ)の男性一人でやられている。
これも、いくばくか影響しているか。

もう少し、掘り起こしてみよう。


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担々麺 十吉樓
台東区雷門1-16-6
03-6231-6290

ぶり照りともろきゅう

3月9日(木)夜

ロックスの西友でぶりの切り身と、きゅうりを
買ってきた。

最近、天然もののぶりが本当に安い。これもそう。
たくさん獲れているのであろう。
温暖化の影響もあろう。近海に棲む魚達の
様相が大きく変わっているのであろう。
今日のものは長崎産。二切れで200円台であったか。
北海道産のものも、もうあたり前になっている。
ひょっとすると、養殖ものよりも安くなる
逆転現象も起きている。
消費者としてはありがたいが、高級魚で
あったぶり、はまちなので、養殖が盛ん。
天然ものの方が安くなってしまうのは、
困ったこと、なのではあるまいか。
心配ではある。

そして、もう一つ、きゅうりと切れていたので
金山寺味噌を買ってきた。
むろん、もろきゅうにするため。
やはり、暖かくなってきたので、生のきゅうりを
かじりたくなった。
梅肉で梅きゅうも考えたのだが、やっぱり、
まずは定番の金山寺味噌であろう。

ぶり照りは簡単。
フライパンに軽く油を引いて両面火を入れ
しょうゆ、砂糖、日本酒。強火で煮詰める。
仕上げにみりんをちょいとたらし、出来上がり。
みりんは最後。これはセオリー。みりんは
タンパク質を硬くしてしまうらしい。

出来上がり。
きゅうりは洗って切るだけ。
金山寺味噌も添える。

ぶりは切り身がこの大きさなので、魚自体も
そう大きなものではないかもしれぬ。
だが、そこそこ脂もあり、うまい。

さて、金山寺味噌。
食べたことのない方は、少なかろう。
ちょっと甘いなめ味噌。

今日は、スーパーで買ったが、以前、その原産地
というのか、発祥の地、今でも名物になっている
和歌山県の湯浅町のものを取り寄せことがあった。

基本はこれ、麦味噌。
そこに、小さく切った瓜やら茄子も漬けてある。

金山寺味噌というのは、そう量は多くはないと思うが
千葉県などの味噌醤油の蔵でも作られている。
三遊亭圓朝作の落語「黄金餅」の主人公は金山寺味噌や。
江戸、東京でも金山寺味噌は定番のものと考えてよいだろう。

味噌といっても、いわゆるなめ味噌でそう重要な
食品とも思えない。なぜ紀州のものが江戸東京の
定番の食品になっているのか。
これ、八代将軍吉宗の影響という。
以前、書いているが、これちょっとおもしろい
考察である。ご存知の通り吉宗は紀州藩の出身。
彼は紀州から金山寺味噌を取り寄せていた、と。
それが、江戸人に定着した。
おもしろい、ではないか。

 

 

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