断腸亭料理日記2023

豚汁

4452号

11月20日(月)夜

さて、なにを食べよう。
寒くなってきたので、温かいもの。

そうだ、豚汁。
東はとん汁で西はぶた汁だそうだが、まあどちらでもよい。

先日、煮込み、もつ煮を作ったが、やはり
汁のある煮込みものがよい季節。

豚汁はもちろん、簡単なので、過去にも
なん度も作っている。

TVドラマの「深夜食堂」の唯一の定番メニューが
豚汁であった。
番組で作り方をよく流していたのだが、先に
肉や野菜を炒めていた。

皆さん、どうされてようか。
私はどうかというと、炒めるという意識は
なく、おそらくそのまま煮ていたと思う。

改めて、レシピを調べてみると、やはり
炒めるというのがほとんど。
これ、なぜであろうか。

豚汁というのは、豚肉に根菜を入れた味噌汁
ではないのであろうか。

ご存知のけんちん汁は、先に材料を炒める。
これは、けんちん汁の出自によるものと聞く。
けんちん汁の発祥は鎌倉の臨済宗大本山建長寺
といわれている。建長寺がなまって、けんちん、と。
まあ、お寺の精進料理なのだが、鎌倉時代、禅宗は
中国から入ってきており、建長寺の開祖も
蘭渓道隆という中国からの渡来僧。
つまりけんちん汁は中国料理がもとなのである。
それで先に炒める、と。

日本料理で材料を先に炒めるというのは、基本
ないと思われる。

けんちん汁の影響?。

豚汁は明治以降、軍隊食として考えられ広まった
と言われているよう。肉も野菜も同時に摂れる
栄養食として。やはりカレーライスに近かろう。

和食のようで和食でない?。
それで炒める?。

だがまあ、炒めることの論理的な説明にはあまり
なっていない。

ともあれ。
今日のレシピは「味の素」のものを
ベースにする。

材料を買ってくる。
里芋を入れる人もいるようだが、私はじゃがいも。
豚こま切れはある。にんじん、これも冷蔵庫にあった。
牛蒡は必須。それから豆腐。これはやっぱり煮込むので
木綿。大根も入れようか、1/3のもの。
こんなところでよいか。

材料を切る。

牛蒡はたわしで軽く洗って、小口切り。
豚汁の場合、笹がきではなくこちらの方が
私はよいと考える。
大根は薄めの銀杏切り。
にんじんも薄く。
じゃがいもは皮をむいて煮えやすいよう
小さめに切っておく。

雪平鍋に油を引いて、豚肉細切れ。

火を強くするとくっつきやすいので気を付けながら。

ただ、炒めるのであるから、おざなりではなく、
火を通し、むしろ、焦げ目が入るまで炒めてみよう。

洋食で炒める意味は焦げ目を入れること。
いわゆるメーラード反応をさせる。

よいかな。牛蒡、にんじんも投入。

これも油によく馴染むまでよく炒める。

じゃがいも。

大根。

これらは、まあ、和える程度。

OK。

水を入れ、大き目に切った豆腐。

一度煮立て、アルミホイルで落としぶたをし、
アクが出ぬよう、極弱火で10分ほど煮る。

火を止め、放置調理。
これ、時間があれば意外に効果的。
余熱で加熱は進む。

30分ほど置いて、味噌を投入。
じゃがいも、にんじんも煮えている。

ねぎはすぐ煮えるので、ここで。

味見。
ちょい薄いので、味噌を足す。

それから、、、。
なんだか、旨味が足らない、、、。
豚肉とこれらの野菜だけでは、不十分であったか。
味の素のレシピではあたり前のように「ほんだし」を
入れている。出汁を取るべきであった。
化学調味料は、ポリシーとして滅多に使わぬのだが、
持ってはいる。ちょいと、入れてみる。

よし、OK。

出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

「ほんだし」のおかげもあってうまいものには
なった。また、温まる。

が、、、うーん。
やっぱり、最初に炒める意味は?。
豚肉のうまみがよく出ている、とも思えない
のだが。

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。

 

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月 |

2020 12月 | 2021 1月 | 2021 2月 | 2021 3月 | 2021 4月 | 2021 5月 | 2021 6月 | 2021 7月

2021 8月 | 2021 9月 | 2021 10月 | 2021 11月 | 2021 12月 | 2022 1月 | 2022 2月 | 2022 3月 |

2022 4月 | 2022 5月 | 2022 6月 | 2022 7月 | 2022 8月 | 2022 9月 | 2022 10月 |

2022 11月 | 2022 12月 | 2023 1月 | 2023 2月 | 2023 3月 | 2023 4月 | 2023 5月 |

2023 6月 | 2023 7月 | 2023 8月 | 2023 9月 | 2023 10月 | 2023 11月 |

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2023