断腸亭料理日記2024

資生堂パーラー銀座本店 その2

4505号

さて。

週をまたいでしまったが[資生堂パーラー]銀座本店。

私は、クリームコロッケのカニコロッケ、
クラブクロケットとチキンライス。
内儀(かみ)さんはかきのグラタンのセット。

内儀さんのオニオンスープとサラダがきた。

私のクラブクロケット。

シンプルだが、美しい一皿。
まさに東京銀座の老舗洋食店の矜持といってよろしかろう。

ロゴと縁の金のラインの白い大きな皿の中央に
円形に赤いソースが敷かれている。
まるで日の丸のよう。
これはトマトのソース。
そのさらに中央に三つの勾玉型のクロケット。
上に載っているのは細かく切り揚げたパセリ。

切る。

ちょっとわかりずらいが、けっこうな大きさに
蟹肉がごろごろ。

クリームは堅め。

クリームコロッケにトマトソースを合わせる、
というのはあまり見ないのではなかろうか。
洋食やではそのまま出され、卓上のソースを
掛ける?。
ソースまで別に作る手間まで掛けられない。

なん度もここでこれを食べているが、クリームコロッケ
にはトマトソースがやはり正解なのではなかろうか。
トマトソース自体の味は抑えてある。
クリームコロッケを生かすためであろう。

揚げたパセリも今はあまり見ないかもしれぬが、
これ自体が、なかなかうまいもの。
実は私も真似をしてパセリを揚げたことがあるが、
実際にはかなり難しい。
むろん、プロの仕事。
揚げるのは一瞬。あっという間に焦げてしまう、
のである。

食べ終わった頃、これがくる。

まるでどこぞの、アフタヌーンティーのよう。
たいそう。
やはり、これが[資生堂パーラー]銀座本店で、
ございます、といった趣きであろうか。

これはチキンライスに付いてくる、薬味。

まあ、薬味という言い方も古いと思うが、添え物、
付け合わせの漬物類、、的な。

カレーにらっきょやら、福神漬けはどこでも付くが、
ここではチキンライスにもこれだけのものが付く。

左かららっきょ、その下がみかん、その右が
玉ねぎしょうゆ漬け?、その上はご存知の福神漬け。
それぞれに、ティースプーンが四本。

みかんは、例の子供の頃うまかった缶詰のもの
に似ている。まさか、実際の缶詰のみかんではない、か。
わからぬが、あれほどは甘くはない。

白髪のウェイター氏は、みかんをデザートして
お召し上がりください、と。

玉ねぎしょうゆ漬け?と書いたが、これが最もうまい。
ただのしょうゆではないことは間違いなかろう。
あまり食べたことない味付け、なのである。
かすかに甘味みもあるか、濃厚。
玉ねぎの辛みもある。

そして、チキンライス。

クロケットもそうだが、これが池波先生のお好きだった、
私も好きなチキンライス。

これ、全量ではないのである。

ウエイター氏が配膳用の金属(銀?)の器から
皿に盛り付けてくれた最初の量。

一人前としては量は多め、なのである。
シェアでもよいくらい。
以前から食べているが、こんな量があったっけ。

ここのチキンライスの味付けは、見た目ほど濃くはない。
おそらく、いや、間違いなく、市販のケチャップでは
なかろう。前に書いたことがあるが、鶏肉は先に
トマトソースで煮てあるとも聞く。

チキンライスなどどこでもあるし、自分でもかなりの
頻度で作るが、やはり、手間のかけ方、気の使い方は
最高峰であろう。

内儀さんのかきのグラタン。

皿で出てきたが、グランタンなのでもちろん焼いてある。
この皿のまま、オーブンに入れているのか?。
まさか?!。どうしているのか。

牡蠣だけでなく帆立も。
内儀さんがいうには、蕗(ふき)が入っている、と。
こういった和の素材を洋食に使うのも[資生堂パーラー]流
ということかもしれぬ。

やはり、チキンライスはかなりの量であった。
かなりの腹一杯。

食べ終わり、私もコーヒーを付けてもらった。

ちょっとしたお菓子付き。
気が利いている。

テーブルで会計。

18,370円也。

値段も味も、サービスも、
流石の[資生堂パーラー]銀座本店。

まさしく、堪能。

ご馳走様でした。

おいしかったです。

 


資生堂パーラー

 

 

 

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