断腸亭料理日記2024

浅草・弁天山美家古寿司 その1

4506号

2月14日(水)夜

さて。

毎度お馴染み、浅草[弁天山美家古寿司]、で、ある。

1月にきていなかった。

今月は、行かねば。

ウイークデー、水曜日に内儀(かみ)さんが予約をした。

6時から。

今日は、18.5℃(14時16分)で、かなり暖かった。

夕方になっても暖かい。
春の訪れが早いのは、身軽になって身体には
ありがたい一方で、花粉が飛ぶのは困る。
アレルギーの私だが、今日のところは大きくは
反応していない。心配はなくならないのではあるが。

ともあれ。

18時到着。

暖簾を分け、ちょっと重めのガラスドアを開けて
入る。

カウンターの向こう、右側の若親方に挨拶。
前に掛ける。

大親方の顔は見えない。
最近、夜はお休み。

瓶ビール、キリンラガーをもらう。

お通し。

と、いっても、三品も出してくれた。

右の小鉢がまぐろの佃煮。
これはいつもの。

上が、すみいかの下足。

その下が、からすみ。

すみいか下足にまぶされているのが、
青海苔(あおさ)かと思ったら、塩漬けの
山椒の葉、とのこと。
さわやか。

つまみは、これで十分のような気もしてくるが、
目の前のガラスケースの中に、今日は、あった。

そう!、たこ。

最近は滅多にお目にかかれなくなった。

ここのたこは、東京湾の真蛸しか使わないが、
悲しいかな、出回るほど、獲れないのであろう。

切ってもらおう。

甘いたれか、塩、どちらがよいかというので
塩にしてもらった。

東京湾の真蛸というだけでない。
拵え方が違う、のである。
たこは、普通獲れた地でその場でゆでて
流通している。
これがほとんど。

しかし、ここは生で買って、店で江戸前仕事を施す。
ただのゆでだこ、ではない、のである。

普通であれば、もっと赤かろう。
だが、江戸前仕事を施したものは、ちょっと
黒みがかっているのがわかるだろうか。

香りがよく、赤い皮の部分などほろっと、柔らか。
これが正真正銘、本寸法の江戸前鮨やのたこ、
なのである。

これが食べたい。

生の東京湾産というのが、手に入りずらい、
ということなのである。

そして、にぎり、へ。

まずは、白身といか。

いかからきた。

もちろん、すみいか。

先日の天ぷらの[みやこし]でもそうだったが
すみいかは、もうだいぶでかい。
それで、厚みがある。
ただ、歯を入れると柔らか。
これがすみいかの身上、で、あろう。

そして、鯛。

ここの鯛はたいてい湯引きして皮を残したもの。
そして、厚い。
鱗の跡の大きさから魚の大きさがわかろうというもの。

平目。

昆布〆。
にぎりの手前側、縁側を残しているのか。
水分が抜け、うまみ。そして、脂も。

次は。

光物。
今日へ、若干種類が少なめ、か。

小肌。

毎度書いているが、小肌ほど江戸前鮨らしいにぎり鮨は
ないのではなかろうか。
江戸前に限らず、酢〆以外では食べない魚でもあろう。
食べたことはないが、きっと食べられる味では
ないのであろう。
また、この皮目の美しさ。

そして、次は、鯵。

小鰺といってよいほどの大きさではなかろうか。
一匹でにぎっている。
軽く、〆てある。
生とはまた違ったうまみがある。

光物は今日はここまで。

 

つづく

 

弁天山美家古寿司

台東区浅草2-1-16
03-3844-0034

 

 

 

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