断腸亭料理日記2024

博多・うどん平〜宗像大社 その1

4482号

12月27日(水)

引き続き、福岡。

福岡でもう一つ、食べておきたいものは、
他にもいろいろあるが、やはり、うどん、で、あろう。
博多のうどん。

調べると[平(たいら)]というところ。
なんでも、タモリさんの行き付け、とのこと。
行ってみねば。

場所は、博多駅から遠くもない住吉というところ。
近くに住吉神社がある。

ホテルからは、バスで行けそう。
やはり、西鉄バスが発達し、便利。

11時15分から、とのこと。ちょうどその頃に到着。
既に長い列。
列が全員入って、前から3番目に。

ここからしばらく待って、入る。

明るい店内。少し前に移転新築ということ。
ちょっとした、カフェのよう。

カウンターとテーブル席でなかなか広い。
カウンターの中では、背の高いご主人らしき方が
簡易製麺機で、うどんを打っている。
自家製麺のよう。

テーブル席に座り、注文は、ごぼう天と丸天に
かしわご飯。
やはり、このあたりが、博多のうどんやでは王道
なのであろうと、決めた。

きた。

私自身は過去に、博多うどんは、天神の立ち喰いかなにかで
ゴボテンも、丸天も食べたことがある。
東京でも博多うどんを謳うところで食べてもいる。
博多のうどんをご存知ない方のために書くと、
まず、うどんが柔らかい、ということ。
ぶよぶよ?、とろとろ?。
今、讃岐だったり、腰のあるうどんがフィーチャー
されているが、うどん文化圏の地方のうどんは、
実際には伝統的に柔らかいところの方が多いのでは
なかろうか。
大阪、京都も本来は柔らかい。あるいは伊勢は特に
柔らかいのが有名。また先日初めて行った、浅草橋に
ある宮崎うどんもやっぱり柔らかい。
堅いところの方が、珍しいのではなかろうか。
博多も、当然柔らかい。
そして、具は、なぜかカリカリに揚げたごぼう天と
丸いさつま揚げが、定番のよう、
さつま揚げは、九州など、西日本では天ぷらという
ところが多い。
つゆは透明で、にぼし、鰹節などを使うよう。

また、かしわ飯も、福岡では定番。
この鶏は、本来はやっぱり歯応えのある親鳥。
そして、九州しょうゆで、甘め。

うどん。

ここのものは、そこまで柔らかくはない。
自家製麺であるせいか。
カリカリのゴボテンもうまい。

うまかった。
ご馳走様でした。

さて。
帰りの飛行機は、夜なので、午後どこへ行こうか考えた。
候補は吉野ケ里遺跡か、宗像大社。
どちらも行ったことはない。
吉野ケ里は隣の佐賀県だが1時間で行ける距離。
ご存知、弥生期の大集落跡。
宗像大社はむろん、世界遺産。
こちらもJRで1時間で行ける。
まったく、このあたりは便利。
内儀(かみ)さんに決めてもらったが、結局宗像大社。
まあ、野っ原の復元集落を見てもイマイチか。

JR東郷という駅まで行って、西鉄バス。
バスのお客はパラパラだが、本数は多く、便利。

降りて、大きな石鳥居をくぐって、神門。

左側の石碑は“皇室下乗”。皇族も乗り物を降りろ、
とのこと。宗像大社の格の高さであろう。

入ると、拝殿。小早川隆景建立の重文という。
お参りをし、神宝観を見学。これが、すごい。
国宝、8万点という。(むろん展示はほんの一部。)
これが宗像大社が世界遺産になった要件でもある。
三角縁神獣鏡・銅鏡、勾玉やら金の指輪、ガラスの
装飾品、夥しい、、、まあ、ほんとうの宝物、で、ある。

宗像大社は、三つのお宮からなっている。
ここが里にある辺之津宮。さらにこの海上、11qの大島にある
中津宮、そして、さらに49q沖合の沖ノ島にある沖津宮の
三社からなり、最後の沖ノ島は島全体がご神体で神官以外は
入れない。
前にも書いたが、この沖ノ島のご神体の本体はやはり巨石。
縄文からの信仰ともいう。
縄文の信仰は石、だったのである。

なかなかこんな習俗を残している神社は少なかろう。
8万点の国宝は、この沖ノ島から出ている。
この宗像大社全体が世界遺産なのであろう。

まあ、このあたりまでが、事前に知っていた知識。

神宝館の説明VTRを観て、当時の国家信仰である、と。

当時というのはいつか、というと、まあ、ざっくり言うと
古墳時代。
朝鮮半島への海路の安全などを(国として)祈願した、
と説明している。
それで、当時の最高の宝物である様々なものを供え、
祈った、と。

なるほど。
なのだが、これらも、ある程度知っていた。
皆さんもご同様であろう。

なんとなく釈然としない、というのか、いったい
これは、どういうことなのか。
妙ではないか。
信仰の歴史が長いことはわかったが、なぜ、ここなのか。
古墳時代も長いが、いつごろなのか。
当時の社会背景は。
国家信仰というのは、主体は誰か。ヤマト王権?。

ご存知のように、私が日本史で高校、大学時代
勉強した古代史は、今、30年から40年たって、
大きく変わっている。
ヤマト王権というのも、大和朝廷といっていた。
成立は、四世紀中期と。

ちょっと、俄かだが、このあたり私の勉強のために
調べてみたので、もう少し書いてみたい。

 

つづく

 

福岡市博多区住吉5-10-7 第3住吉ハイツ 1F

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。

 

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月 |

2020 12月 | 2021 1月 | 2021 2月 | 2021 3月 | 2021 4月 | 2021 5月 | 2021 6月 | 2021 7月

2021 8月 | 2021 9月 | 2021 10月 | 2021 11月 | 2021 12月 | 2022 1月 | 2022 2月 | 2022 3月 |

2022 4月 | 2022 5月 | 2022 6月 | 2022 7月 | 2022 8月 | 2022 9月 | 2022 10月 |

2022 11月 | 2022 12月 | 2023 1月 | 2023 2月 | 2023 3月 | 2023 4月 | 2023 5月 |

2023 6月 | 2023 7月 | 2023 8月 | 2023 9月 | 2023 10月 | 2023 11月 | 2023 12月 |

2024 1月

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2024