断腸亭料理日記2008

羊肉串

3月8日(土)第二食

さて、羊肉串、で、ある。

漢字で書いているので、中国の料理である。
発音は、ヤン・ロウ・チュアン、と、いうらしい。
中国の料理といっても、漢民族の作る、
いわゆる中華料理、ではない。
中国東北部、から、ウイグルといった、遊牧系の民族の料理。
字の通り、羊肉の串焼き、で、ある。
これはなにも、中国に限らず、さらにシルクロードに沿って
さらに西、中央アジア、南に下がって、インド、パキスタン、
中近東、アラブ、トルコまで、呼び名はご存じのケバブ、カバブ、
などと変わるが、同じような串に刺した、主として羊肉を
スパイスを利かせて焼いた料理が広く、ある。

と、まあ、能書きはあるのだが、ようは、羊の串焼き、で、ある。

これが、素朴なものだが、意外にうまい、のである。
もともとは、中国東北部の料理を出す、神田駅にある
味坊で、食べたものから始まっている。

天気もよく、暖かくなってきた。
これだけ暖かければ、外(ベランダ)で焼いて食べよう、
と、思い立ったのである。

書いたように、中国から中央アジア、インド、アラブ、トルコ、、
実に広大な地域で食べられている、羊肉の串焼き。
遊牧民のものであるから、羊肉。
北海道人以外の日本人にとっては、羊肉は、匂いもあって
特殊な肉なのだが、これだけ広い地域の人々にとっては、
むしろスタンダードな肉、ということなのであろう。
考えてみれば、不思議なことではある。

昼過ぎ、ハナマサに羊肉を買いに行く。
このところ、値段が少し上がっていたり、品揃えにも
変化があるようである。

羊肉もラムチョップとジンギスカン用の丸く薄いスライス、
焼肉用の少し厚いスライスしかなく、塊は置いていない。
しかたなく、厚めのスライスにする。

帰宅し、レンジで軽く解凍。

この間に、炭を熾す。

ガスレンジで、火熾しに入れた炭を加熱し、熾こす。
熾きたところで、ベランダの七輪に移し、さらに炭を足し、
扇風機の風をあてておき、全体を熾す。

イチから団扇やらの人力のみで、七輪でものが
焼けるくらいに熾すには、随分と苦労をするが、
扇風機を使えば、各段に簡単になる。
(こういうところは、合理的に考えても
よいのではないか、と、思ってはいる。)

扇風機をあてている間に、肉を串に刺す。

スライスなので適当にまとめて、竹串に刺していく。

刺した串には、塩をふっておく。

ベランダに移動。


炭火は十分に熾きている。
焼き始める。


凍っている時には、気が付かなかったのだが、
この肉は、いい肉かもしれない。
脂身がほとんどない。
ベランダで焼く分には、脂身が少ないのは、
煙が上がらないので好都合、ではある。

火が強いので、すぐに焼ける。


クミンを皿に用意し、焼けた羊肉串にまぶす。

ビールを抜いて、食べる。

うん、うん、なかなか、うまい。

確認はしなかったのだが、肉はマトンではなく、ラム、
であったのかもしれない。脂身としてはないが、
ぱさぱさではなく、柔らかく、肉の中に、ジューシーさはあるし
また、羊特有のくさみも少ないように思われる。

クミンがまた、食欲をそそって、よい。

が、、、う〜ん。

少し、ひっかかる。

これはこれで、よいのだが、なんとなく、、、、。

羊肉串、にしては、よい肉すぎた、のかもしれない。
くさみや、脂も、もっとあった方が、それらしかった。

また、後で、前のページを見直して、気が付いたのだが、
塩だけではなく、以前に作ったときには、あらかじめ、
肉に塩胡椒、クミン、赤唐辛子、とともに、にんにく、
玉ねぎを混ぜ込んでおくのであった。

しかし、ビールとともに、うまいので、10本以上。
内儀(かみ)さんと二人で(といっても、2/3以上を
筆者が)食べてしまった。

またまた、昼間から、呑んだくれ、で、ある。





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