断腸亭料理日記2009

京都 錦小路烏丸西入

割烹凪 その1

1月21日(水)夜

さて、またまた、京都出張。
今年は初めて、で、ある。
冬の京都、というのも、初めてかもしれない。

今回は一泊。
ホテルは少し前に、河原町三条上、
本能寺のすぐそばのビジネスホテルをとっておいた。

前日、昨年、なん回か行った、先斗町のいふき
に、TELをしてみると、なんと一杯。

たかをくくって、いたが、残念。

一度いった、祇園の江戸前鮨、まつもと
とも思ったが、やはり京料理がよいと思い直し、
また、探してみる。

大きな店、老舗ではなく、小ぢんまりしたカウンター割烹
というところ。

と、四条烏丸の近くに、頃合いの店を見つけた。
TELをすると、OK。6時に予約。

10000円のおまかせ、を、頼んでおく。

翌日、昼過ぎに京都のオフィスに入り、一つ打合せを終え、
次の打合せまで、時間があいたので、
ホテルの場所の確認がてら、三条大橋のあたりまで
一度きてみる。


曇りから、少し、雨が落ちてきた。
寒い京都を想像してきたのだが
今日は、少し、暖かいようだ。

三条大橋から河原におりて見て、一つ上の御池大橋まで
歩いてみる。
さすがに、人も少なく、寒々としている。

御池通※、に出て、西に。
木屋町通、高瀬川、河原町通。
南に折れて、次の姉小路通を右(西)に曲がり、
ホテルの場所を確認。
ちょうど、本能寺の裏手にあたるところである。

この御池、河原町、姉小路、寺町の四本の通に
囲まれた中、周りにはビルやら、町屋などが建っているが
中が本能寺の、ようである。
ビルの間に境内へ入る細道があり、
その入口に信長公霊廟などと書いた石碑もある。

裏手の町屋が並んでいる姉小路通を歩いていると、
静かそうな喫茶店があり、入り、一休み。

そうそう、油を売っているるわけにもいかない。
出て、さらに、西、アーケードが見えるので
いってみる。
これは、寺町通。

すると、なんと鳩居堂があった。
鳩居堂といえば、東京銀座。東京の地価の目安を表す場所として
よくニュースに出てくるし、私も一、二度は覗いたことがある。

そうか。

京都にもあったのか、、。

(実は、むろんのこと、こちらが本店というのか
元々は、ここが本拠。

余談だが、鳩居堂のHPを見ていて、驚いた。
鳩居堂は、鎌倉時代、源頼朝の家来として、
平家物語などにも登場する、熊谷直実の子孫が江戸時代になって、
この京都で創業した、という。)

アーケードの中だが、鳩居堂は、木造の店構え。

中へ入ると、東京の店同様に、風雅な便箋やら、封筒やら。
お香の類。筆、硯(すずり)など、文房四宝、和文具類。

ちょっと見て回ると、矢立(やたて)が売られていた。
矢立、をご存じだろうか。

「縞の着物に前掛けがけ、腰には矢立、、」

と、いう。
これは、いかにも、の商家の手代、という形(なり)の描写。

置いてあるのは、塗(ぬり)だったり細かい細工のあるような、
美術品風の矢立ではなく、そんな、手代が持っていそうな、
普通っぽい感じの矢立、で、ある。

竹の細い筒に筆を納め、これに、陶器の墨壺が
紐でつなげられている。

だいたいにおいて、骨董ではなく、新品で
こういうものが作られ、売られている、というのが
驚き、では、ある。
(いったい、誰が買うのかだろうか?)

ともあれ、見ていて、これ、妙に欲しくなった。

私は、自慢ではないが、そうとうに字は下手で、
筆などはとても持てないのだが、
なにか、欲しくなる雰囲気を醸し出しているのである。

(むろん、買わずに。)
店を出て、ちょいと、本能寺の境内を通り、
次の打合せのために、オフィスに戻る。

5時半。
打合せを終えて、出る。

地下鉄で、烏丸御池まで出て、ここから烏丸通を歩いて、
南へ下る。キャスターを押して、雨の中を歩くのは荷、
で、あるが、やはり、京都の街は、できれば歩いてみたくなる。

御池、姉小路、三条。

通、ごとに、標識が出ているでの名前がわかる。

三条通、というのは、三条大橋のあたりは
広い通りなのだが、このあたりは、なぜか狭い。
一方通行であるくらい、で、ある。

烏丸通は、大きな通りで、このあたりはオフィス街でもあり、
特段、京都らしいというものは少ないのかもしれぬ。
だが、三条と烏丸の辻には、レンガ造りの建物があった。
みずほ銀行のよう。
これは古いのかもしれぬ。

三条の次が六角、その次が、蛸薬師。

あね、さん、ろっかく、たこ、にしき、、、
京都の東西の通の名前を北から順に並べた、童歌(わらべうた)。
テレビでやっていたのを、思い出した。

うろ覚えながら、口ずさんで歩いている内に、
錦小路通まできた。
これを、右折。
すぐ右のはず。

あった。

ビルの一階。

格子を開けて入る。

広い白木のカウンター。

女将さんとカウンターの中のご主人が出迎えてくれる。
6時、他にお客はまだいない。
正面の椅子に案内される。

コートを脱ぎ、座る。



と、だいぶ長くなてしまった。
引っ張るつもりではないのだが、
恐縮であるが、今日はここまで。
続きはまた明日。




割烹 凪
住所:京都府京都市中京区占出山町315−1オノビルディング
TEL:075-213-0369


※今回も京都のため、通りの、「り」、は送らず。


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