断腸亭料理日記2017

そば・竜泉・角萬

11月4日(土)第一食

連休、中日。

午前中は歯医者。
3か月毎の検診&クリーニング。

終わって、まだなにも食べていなかったので、
第一食、なにを食べようか。

少し前から、表題の、竜泉のそばや[角萬]の肉そばが
無性に食べたくなった。

竜泉という町名をご存知の方はどのくらいおられるだろうか。

私の住む台東区内の町名ではある。

浅草、入谷、千束の北隣り。

竜泉といえば、樋口一葉が住んだこともあり、
台東区の樋口一葉記念館もある。

それこそ、かの吉原の隣、という位置関係でもある。
以前に、やはりこの店のことを書いたときに、
この界隈のことも書いている。

この時にも出した昭和40年頃の地図。


なんとこの地図に、既に(なのか?)国際通り沿いに
この店の名前[角萬]がちゃんと同じところに載っている。

おそるべし。
ただあっただけではなくて、地図に載るくらい、
有名であったのであろう。

この頃、まだ旧町名が残っている。

かの新吉原も、浅草新吉原京町二丁目、同揚屋町、
なんという町名もそのまま書かれている。
おそらく、実際の町名からは吉原は既になくなっているはずだが、
まだまだ、町名は生き残って、使っている人も少なからず
いたのであろう。
(一応、赤線は昭和32年に廃止になっているが。)

ただ、道路や区画は今もほとんど変わっていない。

縦に「都電」と書かれているが、この通りが
国際通り。

位置的には、ここまでくると最寄駅は浅草よりも
三ノ輪の方に近い。

もちろん、私は元浅草から自転車。

国際通りに出て北上。

言問通りも越えて千束五叉路。

右側にお酉様。
今年は、6日、18日、30日で三の酉まで。

このところあまりお酉様には行っていないないが
賑わいはどうなのであろうか。

さらに北上。

吉原の方に曲がっていく斜めの道の少し先右側に
[角萬]はある。

店前の歩道に自転車を停める。
鍵をかけて、暖簾をかき分け店の硝子戸を開ける。

店のたたずまいはまるっきり町のそばや。

午前中は11時開店、
今は、11時半頃。

中へ入っても町のそばやではあるが、
にぎわっている。

左側の壁際にあるカウンター席に掛ける。
座ったら、おかあさんにすぐさま注文。

肉南蛮。

ここではこれしかない。
そして、寒くなってきたからといって、間違っても、
温かいものを頼んではいけない。

冷たいもの。

肉南蛮、冷やしで、普通、と頼む。
後から後から、客が入ってくる。
すべて、男。

人の注文の言葉を聞いていると、いけない!。

私の頼み方は、トウシロウであった。

ヒヤニク、か、ヒヤダイ。

この二つしかない。
(実際に、私がこの店にいる間、これ以外に頼んだ人は
一人だけ。きつねそばであったが。)

ヒヤニクは、冷やしの肉南蛮の普通盛。
ヒヤダイは、同じく大盛。

つまり、私はヒヤニクと頼まねばいけなかった。

すぐにきた。

ヒヤニク。

冷やしなので、ぶっかけ。

入っているのは、クタクタになったねぎと、
厚めに切ってある、豚の細切れ。

そしてお気付きであろうか、そばの太さ。
平たいのではあるが、うどんと見まごうばかり。

箸で持ち上げると、こう。

この写真よりももう少しそばの黒い色なのだが、
それでも随分と白っぽい。

まさに[ラーメン次郎]のそばや版。

量は、さすがに[次郎]ほどではない。
だがまあ、普通のそばやの、大盛の量は、確実にある。

そして、冷を頼んだが、圧倒的にここの肉南蛮は冷がうまい、
のである。

なぜであろうか。
わからぬ。

つゆはちょっと甘め。

ガツガツ、ズルズル、すする。

うまい、うまい。

久々きたが、あまり変わってはいないのだろう。

うまかった、ご馳走様でした。

お勘定は普通盛で、1,000円也。
意外に、安くはない、のである。





台東区竜泉3-13-6
03-3872-5249



    

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