断腸亭料理日記2020

スパゲティーカルボナーラ

11月30日(月)第二食

さて。
スパゲティー・カルボナーラ、で、ある。

ご存知、玉子とチーズのソース。

振り返ると、4月に動画付きで

作っていた。

この時は、パルミジャーノ・レッジャーノを
使っていた。

本来、カルボナーラのチーズはペコリーノ
を使う。

スパゲティーカルボナーラは、イタリアでもローマ地方の料理で
ローマ地方で作られた、ペコリーノチーズ、ペコリーノロマーノを
使うのが本寸法。

イタリアというところは食べ物にしても農産物、加工品にしても
地方の独自性が強く、その地方の産品として、認証
保護されている。

近年日本でもこの制度はできているが、
欧州、特にイタリアは早くから制度化されている。

思うに、イタリアという国は、国として統一が1871年。
地方毎に国として長く独立していたことが
影響しているのではなかろうか。
地産地消なんということも、このあたりからの運動
といえるのかもしれぬ。

イタリア人にとっては、ミラノだったらミラノ、
ナポリだったらナポリの独自の料理が古くからあり、
地元の食材を使って作るのが当たり前。
地産地消は運ぶエネルギーも少なくすみ、
エコ、ということにももちろんなるのだが、
それ以上に彼らの地元へのアイデンディティーの
強さが背景にあるのであろう。

我が国ではどうであろうか。
イタリア統一の1871年は奇しくも明治3年。
幕藩体制から明治新政府によって中央集権が
始まったわけだが、ほぼ同じ時期である。
我が国も、それぞれの藩が独立国であったのは
同じである。

だが地方の独自性、地産地消意識も我が国は
イタリアほどは今は強くはない。なぜであろうか。
やはり東京一極集中は今も続いている。

経済合理性としては、国中が一つの市場となった方が
よいに決まっている。
米中など大きな国土と人口=市場を持つ国と
比べれば明らかである。

我が国では、戦後、通産省などが政策として東京一極集中を
進めてきた。例えばすべての業界団体の本部は東京に置かせる。
あるいはマスコミ・民放もご存知キー局などというが、
一定以上の割合を東京で制作しなければいけない、などなど。
戦前までは例えば、繊維、化学であれば大阪など、
経済的にも文化的にも今ほど東京に集中されていなかった。

我が国の戦後の成長は東京一極集中に負う部分は大きい。
だが一方で地方の地盤沈下は叫ばれて久しい。
これが悩ましい。深刻である。
どちらかをあきらめるのではなく、両方をバランスよく
進めなければならない。これは一見相反するようにも見える。

しかし、例えば地方の農産物も国際競争力を付け、
世界で独自の市場を作る取り組みもある。
こういうことが一つのヒントなのであろう。
ただ、すべての地方でこれができるか、というと
すぐには難しい。今はそういう状況なのであろう。
このハードルを越えなければ我が国は滅んでしまう。
困難な道であるが、もうひと頑張り、である。

筆が滑ってしまった。
カルボナーラ。ペコリーノであった。
これもなん回か作っている

ペコリーノはその辺に売っていない。上野松坂屋へ行ったが
案の定ない。以前は銀座三越で買ったが。

で、あればと、いっそのこと、粉チーズ。
パルミジャーノ・レッジャーノでもないが、
一応、ナチュラルチーズ。アメリカなどで
作られた“パルメザンチーズ”。

で、あれば材料はすべて家にある。

作る。

玉子二個を割りほぐし、ここに粉チーズと黒胡椒。
ゆでたスパゲティーとフライパンで加熱しながら
半熟まで仕上げる。

動画。

出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

う〜〜ん。
きも〜〜ち、塩味が。

いつも、塩はスパゲティーをゆでるところにしか
入れていない。
今日もそうである。

チーズ、ベーコンに塩味があるので、
入れなくともよい、のである。

今日のベーコンと粉チーズが、どちらも
微妙に塩味が少なかったか。
手近にあったものだったからか。

だがまあ、入れずにこのまま食べよう。

とろり、出来具合は上々。

うまかった。

 

 

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