断腸亭料理日記2021

ラーメン蔵前元楽総本店/浅草六区翁そば

さて、今日は二本。

3981号

11月29日(火)昼

ラーメン蔵前[元楽総本店]

今日は、近くまできたので、ちょっと久しぶりに
背脂ラーメンの[元楽総本店]。

6月にこの[元楽総本店]と蔵前という“町”に
ついて書いた。

蔵前というのは、もともとこの隅田川沿いに
南北に、広大な幕府の米蔵があったことに由来は
している。しかし、蔵前という町名は、江戸から
明治まであった、御蔵前片町という小さな町にしか
なかった。
それが、戦前までに、旧浅草御蔵も含み、
御蔵前片町からははるかに広い蔵前一丁目から
四丁目までの現代に至る蔵前という町名になっている。

これ、今はあたり前なのだが、あそこでも書いたが
やっぱり不思議なのである。
因縁を付けるようだが、幕府の蔵のあったところは、
蔵“前”ではない。蔵の中、あるいは蔵そのもの。
まあ、これは明治期に既に、旧蔵屋敷の南端部に
その前町の「御蔵前片町」の名前を付けているので、
既にこの時からヘンなのではあるが。

町名ではなく、地域名というのか、ザックリ
このあたりをなんというか、を考えると、ここは
江戸から明治までは、浅草であった。
浅草御蔵であったし、明治に電燈会社の発電所が
できているが、そこは、浅草発電所。

それを町名変更に際して、周辺を広く含み蔵前という
町名をお役所(東京市でよいのか)は付けた。

まあ、台東区の現町名というのはあまりにもアバウト、
テキトウ?。少し穏便にいうと便宜的、事務的?。
上野なんというのはあまりにも広いし、上野に加え、
東上野、北上野を入れるとさらに広大。
私の住む元浅草もなにが“元”なのか、その由来は
よくわからなかろう。どうも蔵前もそんなカンジ
だったのでは、なかろうか。意味を考える方が
ナンセンスなのかもしれない、、、か?。

ともあれ[元楽総本店]。
ちなみにここは、旧御蔵の敷地の中。

いつもの特製元らーめん。

アップ。

背脂の元祖というのは、千駄ヶ谷[ホープ軒]なのか?。
定かではないが、まあ古かろう。
ここは元祖ではないにしても、かなりの古株。

千駄ヶ谷[ホープ軒]は塩味を強く感じると思うが、
[元楽]のスープというのは、背脂だけでなく、
動物系の出汁が濃厚というのが特徴。
あまりにも動物系が濃いと、人の味覚というのは
不思議なもので、甘く感じるという。
私も最初に食べた時には、甘く感じ、馴染めなかった。

だが、なん年か食べているうちに段々馴染んで
くるのであろう。

今日などは、この濃さ、甘さをかなりうまい、と
感じた。
なんだか、腹に染み渡る。

寒くなってきた。
これもよいのかもしれぬ。

ご馳走様でした。

元楽

台東区蔵前2-12-3
03-3851-4537

 

11月30日(火)夜

浅草六区[翁そば

大盛、太麺のカレー南蛮、で、ある。
ちょっと久しぶり。

夕方、一杯呑みながら、と思ってきてみた。

夕方は、16時半から。
これに合わせていつものように自転車できた。

この建物、がよい。
一戸建ての木造で、外も中もいかにも蕎麦や然
としている。

暖簾を分けて入ると、先客は男性三人。
お酒、というと、お姐さんがすまなそうに、
置いてないんです、と。
壁に、キリンラガーのポスターが貼られているので、
じゃ、ビールで。
それから、カレー南蛮。

ビール。

揚げたおかき。

なぜ、酒は置いていないのであろうか。
そばやなのに。
面倒、なのか。
まあ、燗をつけるのは手間ではあるが。
あまり出なかったのかもしれぬ。
ここの大盛系そばの雰囲気からして酒を呑む、
蕎麦やではないかもしれぬ。

おかきをつまみながら、がぶがぶ、呑む。
カレー南蛮なので、呑みながら食べてもよい。

きた。カレー南蛮。

表面張力でこらえているが、こぼれる寸前。
そばは見えない。

箸を入れ、そばをつまみ上げる。

この太さ。
冷肉の浅草[角萬

を彷彿とさせる。
むろん、これは大盛ではない。

周りを見ても、やっぱり呑んでいる人はいないが、
ビールで、この名物カレー南蛮、よいぞ。

うまかった、腹一杯。
ご馳走様でした。


03-3841-4641
台東区浅草2-5-3

 

 

 

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