断腸亭料理日記2008

麻婆豆腐

8月4日(月)夜

毎日、暑い、暑い、といっているのも、飽きてしまうが、
それでも、暑い。

暑い時には、辛いもの、がよかろうと
考えたのが、麻婆豆腐

麻婆豆腐は、私はカレー同様、定期的に作っているが
得意料理、というよりは、好物、といってよかろう。
麻婆豆腐が嫌い、という人も少なかろうが、
うまい麻婆豆腐を作る、というのは、意外に難しい。

今日の麻婆豆腐というのは、昼間から、考えていた。
夜、8時過ぎに、オフィスを出る。

久しぶりに少し、余裕を持って、帰れる。

麻婆豆腐の用意は、豆腐を買うだけ。
ひき肉をはじめ、それ以外の材料、調味料はすべてある。

帰りがけ、ハナマサで豆腐を二丁買う。

帰宅し、すぐに作り始める。

まずは、冷凍してあるひき肉の解凍。
豆腐二丁分だが、ひき肉は、100gもいらないであろう。

そして、すべての材料と調味料を用意する。

中華料理の場合はこのすべての用意を事前にしておく、
というのが肝心、であろう。
そして、一気に作る。

にんにく、2かけらほど。
包丁の腹で、潰しておく。

しょうが。
これはスライス。数枚。

ねぎのみじん切り。

調味料は、八丁味噌、豆板醤、スープの素、XO醤、
しょうゆ、酒、砂糖、赤唐辛子、ラー油、花椒。

花椒はあたり鉢で、軽くつぶしておく。

これらを、並べておく。

それから、豆腐を切る。
賽(さい)の目よりも大きく。
さらに、豆腐は、崩れにくくするために、茹でるのだが
このための湯も沸かし始める。

そして、中華鍋。
まずは、煙が出るまで一度熱し、油を回し、一度捨て、
もう一度、油を入れる。

さあ、ここから、調理開始。

まずは、にんにく、生姜を炒める。
そして、豆板醤。
豆板醤は焦げ付かぬように気を付けながら、
よく油になじませる。

次に肉。
油が出てくるまで、よく炒める。

ここで、湯に、豆腐を入れて、温め始める。

中華鍋に、お湯を入れ、八丁味噌をまずはよく溶く。
ここに、スープの素、XO醤、これが、スープのベース。
さらに、しょうゆ、酒、ほんの少し、砂糖。
砂糖は、隠し味、で、ある。
粉の赤唐辛子もここで入れる。
これらを煮立てる。

温まった豆腐を鍋からざるにあけ、
水気を切って、中華鍋に入れる。

お玉の反対側で軽く混ぜる。
一度味見。

よいかな。

水溶き片栗粉。
これは用意を忘れていた。

さっと、お椀に作る。

混ぜながら、回し入れる。
とろみは固め。

最後に、ねぎ、ラー油もここで入れる。

いいだろう。

皿に盛りつけ。
最後に、花椒、あたり鉢でもう一度つぶし、振りかける。

完成。


ビールを開け、食べる。

自分としては、よい味の麻婆豆腐になった。

唐辛子の辛味と、花椒の痺れ、香り、ひき肉の旨味、
スープのコク、旨味。
スープをさらに分解すると、スープ自体の旨味、
八丁味噌、しょうゆ、その他。
カレーほどではないが、全体の出来を左右する
構成要素が多岐に渡っている。
麻婆豆腐を作るというのは、これらをコントロールして、
思い通りの麻婆豆腐に仕立て上げる、という作業である。

問題は、この思い通りの、というところなのである。
料理というものは、完成形が想像できていないと、
できない、というのが私の持論ではあるが、
麻婆豆腐の自分の好みの味、というのが、
実のところ、随分長い間、わからなかったのである。

それこそ、給食や、市販の麻婆豆腐の素の味や、
町のラーメン屋から、本格四川料理店で出されるものまで、
麻婆豆腐の味には、実のところ、かなり広い
バリエーションがあり、どれもそこそこ、うまい。
しかし、自分では、これ、というものが、なかったのである。

それが、なん度もなん度も、作っている間に、
やっと、完成形の自分の好みの味と、それには、
調味料などを、どういう配分で入れればよいか、が、
経験的にわかってきた、ということである。

ともあれ。
小理屈が長くなってしまったが、
今日は、なかなか、うまい麻婆豆腐ができた、
ということである。

うまかった。



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