断腸亭料理日記2008

小島町・うなぎ・やしま

8月7日(木)昼

さて、夏休みに入った。

実際には、今週末からなのだが、先行、で、ある。
まあ、二日間ぐらいはよいであろう。

この一か月というもの、先日の展示会の準備に、
むろん通常の仕事も並行してあり、そうとうに忙しかった。
こうしたものは、トラブルなくできてあたり前であるから、
終わっても、誰もほめてはくれない。
それはそれでよい。まあ、滞りなく終わってよかった。

ともあれ。

夏休み。

(な、つ、や、す、み。

なんと、いい響きであることか!)

昼、暑いし、うなぎ、でも食おうか、と、思い立つ。

うなぎといえば、ご近所の、やしま

ちょいと近所に、うまいうなぎが食いにいける、というのは、
本当に幸せなことである。

12時前、Tシャツに雪駄履きで、出る。

今日も暑い。
日差しがまぶしい。

春日通りの交差点。
信号待ちだけでも、暑い。

やしまは暖簾が出ている。

よかった。
やってる、やってる。

昼は、私は仕事で、滅多これないのだが、
ここは、やっているのである。

入ってみると、ほぼ満席。
夜よりもにぎわっているかもしれない。

ご主人に挨拶をしようかとおもうが、
かなりお忙しそうなので、やめて、座敷に上がる。

暑いので、うなぎ。
同じようなことを考える人も多いのか。

ウイークデーで、近くのサラリーマンのお昼、
という姿も多い。

まわりの人にはわるいが、やっぱり、ビール。


恵比寿に、いつもの味噌豆。

お重も一緒に頼んでしまう。
呑みながら、ゆっくり待つ。



きた。


ふたを開け、山椒をふる。

毎度書いているが、本当に、このうな重の、
それも、うまいうな重の、ふたを開けて、山椒をふる、
という一連の動作は、なに物にも代えがたい、

幸せな瞬間である。

食べる。

浅草雷門の老舗、初小川ゆずりの
さっぱりしたたれの、やしま、の、うな重。

夢中で、かっ込む。
やっぱり、うな重は、かっ込まねば。

うまい、うまい。

熱いお茶を飲んで、立つ。

勘定をしながら、調理場をのぞくと、
ご主人は、うなぎを割いておられる。

まだまだ、店は混んでいるので、
そのまま、出る。

出て、交番の前を通り、裏へ回る。

ここもやしまのご主人の持ち物なのだが、
先頃マンションにし、ここに、井戸がある。


マンションを建てるので、記念になにか建てようと
考えて、作ったのですよ、とおっしゃていた。

ここのプレートにも書かれているが、
この場所には、明治の頃から、昭和20年まで、
楽山堂という大きな病院があったそうな。
そこにあった、楽山井戸、ということ。
この場所である。今は飲めないというが、
昔のものはやはり残しておきたい、という
ご主人のお考えである。

帰宅。



といったところで、筆者夏休みのため、
来週一杯、断腸亭料理日記は
お休みといたします。

暑さが続きますが、皆様お元気でお過ごし
くださいませ。

断腸亭


やしま
TEL 03-3851-2108
東京都台東区小島2丁目18−19



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