断腸亭料理日記2010

生鰹節の甘酢かけ

10月15日(金)夜

明日は『講座』。

用意は終わっているので、別段問題はないのだが、
なんとなく落ち着かず、7時前に帰る。

今日は、なにを食べようか考えていた。
昨日の夜、牛込神楽坂駅そばの、スーパーで
遅い時間、安くなっていたので、鰹の刺身を
買って、食べた。

今、鰹はだいぶ獲れているのであろう、
いたって、安い。

今の鰹は戻り鰹で、脂がのっており、うまかった。

一人で食べたので、半身の半分のサクで買ったが、
さすがに全部食べきらず、半分ほど、残っていた。

今朝の朝飯のソース焼きそばに、
少し切って入れたりしたが、まだだいぶ残っている。

あれを、茹でて生鰹節(なまり)にし、
甘酢かげ、酢の物にしよう。

生鰹節の甘酢がけは、池波レシピ。

そういえば、もどり鰹も、池波レシピ、で、あった。

池波流のもどり鰹の食べ方は、からしじょうゆ。

これに茄子の丸漬け(これも溶きがらしだが)があれば、
秋の酒の肴、とすれば完璧で、あろう。

ともあれ。

帰り道、100円コンビニに寄って、きゅうりを買う。
1パック2本入り。

甘酢がけには、きゅうりが入ればよいであろう。

帰宅。

鍋に水を入れ、鰹を茹でるために湯を沸かす。

まずは、きゅうりを洗って、薄切り。
一本全部切ってしまう。

ボールに入れて、軽く塩もみ。

鍋が沸騰したら、鰹を投入、茹でる。

普通、生鰹節というと、完全に熱を通したもの、
ということになるのであろう。

子供の頃、家でも生鰹節は初夏の頃であったか、
よく登場する惣菜であった。
家では、酢の物にはせず、父や祖父の好みであったのであろう、
しょうがじょうゆで食べるものではあった。

しかし、生鰹節というのは、今書いたように、
完全に熱を通すと、パサパサになる。
どうも、子供にとっては、パサパサの生鰹節が、
苦手であったのである。
(甘酢がけは、パサパサでも、しょうがじょうゆよりも
まだ食べやすいわけだが。)

それで、私は、茹でるとき、
熱を通しすぎぬように、気を付ける。

3〜4分たったか?
いいかな。

あげて、水に晒し、身を手でほぐす。

あ!

生。

中心部がまだ生であった。

いくら火を通しすぎぬ方がよい、とはいえ、
生鰹節の場合、生の部分があってはいけない。

今から湯をわかすのは、面倒なので、
ラップをして、レンジへ突っ込む。

ここでまた、火を通しすぎては、なんにもならぬので、
30秒ほど。

開ける。
OK。

半生ではなく、パサパサでもなく、
しっとりしている状態。
これがよい。

塩もみしてあったきゅうりを水で洗い、
ざるにあげる。

甘酢を作り、皿にほぐした生鰹節、きゅうりを盛り付け、
ここに甘酢をかけ回す。


ビールをあけて、食べる。

普通、生鰹節というと、秋のもどり鰹ではなく、
初夏の鰹でする方が、自分では多かったような気がするが、
むろん、もどり鰹でも、なんら問題はない。

うまい。

初夏よりも、多少脂のある方が、火を通す生鰹節は
より合っているかもしれぬ。

この皿に、二杯分あったが、結局、一人で全部
食べてしまった。

生鰹節の甘酢がけ、うまいもの、で、ある。








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