断腸亭料理日記2013

13年鳥越祭その3

6月9日(日)

日曜日。

鳥越祭の本社神輿の渡御の日。

朝早く、宮出しといって、鳥越神社を出た宮神輿は
一日をかけて、広い氏子町内を各町内の氏子が担いで、めぐる。

鳥越の場合、神社へ帰ってくる宮入は、やはり提灯に
灯が入り、9時近くになる。

われわれの町内は午後3時からの予定。
早くもなく、遅くもなく、いい頃合いである。

さて、朝飯。

先週、内儀(かみ)さんの実家から北海道のグリーンアスパラが
届いた。

連休に行ったパリでもシーズンであったが、
北海道もアスパラの季節。

箱で送られてきたので、どんどん食べねばいけない。

茹でてマヨネーズ、あるいは塩で食べる。
ベーコンなどと炒める。

天ぷらなどもうまいが、わざわざこれだけのために天ぷらをするのも
ちょいと面倒ではある。

なにか使い道はないかと考えていると、ちょうど朝のNHKで
リゾットにする、というのをやっていた。
そのアスパラは四国のものであったと思うが、うまみが出る、
と、いう。

リゾットというのは、意外に簡単にできる。
やってみようか。

TVではアスパラをピューレにするといっていた。

細かめに切って柔らかく茹でる。

茹でたものはフードプロセッサーで潰すのだが、
うちにあるのはミキサーで、使うのであればこれ。

ただ、米一合分のリゾットにするアスパラは、
そうたいした量ではない。背の高いミキサーではまわりに
くっついてしまう方が多そうである。

そこですり鉢。

茹でたものをさらに包丁でみじん切りにし、
すり鉢で潰す。

アスパラというのは繊維質が多いのできちんと潰さねば。

ピューレというのは、本来、裏漉すのであろうが、
繊維を取ってしまうのはもったいないような気もするし、
家庭ではそこまでしなくてもよかろう。

ただ、できるだけよく潰した。

米。

洗わずに鍋に入れ、オリーブオイルで炒める。

リゾットのレシピは最初に炒めるということになっているのだが、
これ、どういう効果があるのであろうか。

むろん、日本では米は炊く前に炒めたりはしない。

ちょっと炒めたくらいでは浸水もしていない米は
柔らかくもならない。焦がすわけでもないし、うまみが出るとも
あまり思えぬではないか。

炒めるのはテキトウにやめて、アスパラのピューレ、
水、コンソメを入れる。

水は以前から作っているレシピでは一合に300cだったのだが
毎度、途中でなくなって足すので、まあ、これもテキトウでよいだろう。

リゾットの場合、米の芯がなくなり食べられるようになればOK。
ただ、かき混ぜ続けなければならず、離れられない。

アスパラはピューレの他にもスライスを入れていた。

斜めにスライスしたものを用意。
リゾットの出来上がり直前に入れる。

仕上げにパルメザンチーズ。

ふむふむ。
なるほど、アスパラというのは、確かにうまみ、コクも
出てくるようである。

さて、さて、鳥越祭であった。
午後。

内儀さんは町内会の炊き出し場というのか、イベント会場というのか、
から、焼きそばとおでんをもらってきた。

これは毎年のことで、どこの町内会でもやっているようだが、
どちらかというと子供用のものではある。

焼きそばなどの食べ物以外にも金魚すくい、や、おもちゃのあたる
ゲームだったり、そんなものをやっている。
大きな町内会などはまだよいのであろうが、うちの町内会は、そう
大きくもなく、また子供のある家もそう多くはない。
子供の少なくなった今、このあたりの行事はやはりちょっと淋しくもある。

鳥越祭でも昔、昭和30年代の写真を見ると、子供の数の多いこと。
山のようにいた。
今は、子供神輿など、一所懸命呼んできてやっと
成立させているのであろう。

焼きそばとおでん、と、くると、やっぱりビール。

焼きそばは、足らぬので、作ったり、、。

そうこうするうちに、2時半。

半纏を着て、出る。

もう隣町まできているであろう。

春日通りを渡って、見に行ってみる。

おお、いたいた。

鳥越祭というのは、なにが名物かというと、この狭い路地。

この道を巨大な神輿がゆっさゆっさと動いてくる。

竹の棒を持った白い半纏を着た人が写っているのがわかると思う。
この竹の先には、金具がついており、神輿が引っ掛からぬように、
これで路地の上を覆っている電線を上げる。電線を上げる。

最近はこのあたり、電柱も電線も地中化され減ってきており、
活躍の場面は少なくなってきたが、狭隘な路地を行く千貫神輿は
名物ではあろう。

これが千貫神輿。

町内まで戻る。
役員さんやら、うちの町内の鳶頭(かしら)が待っている。

路面に砂が盛られているがこれは神輿受け渡しの際に行われる
神事に使われるもの。

神輿の行列よりも先に、赤い線の入った役半纏(やくばんてん)を着た鳶頭もきた。

やっと春日通りを渡ってきた。

道の両側に町名の入った高張提灯、竹が立てられ注連縄(しめなわ)が
貼られている。
これはその町の境を表している、いわば結界。
日本のお祭りでは田舎でも都市でも必ずこういうことをする。

結界を入ったところで受け渡し。

半纏の色が変わる。


行くぞ!。

 

 サス!。

 

 

実際には30分くらいはかかっているのだが、
あっという間に思える。

 私の13年鳥越祭、こんな感じ、で、あった。

 





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