断腸亭料理日記2019

小島町・中華・幸楽

さて、ここ。
台東区小島町二丁目、中華[幸楽]。

元浅草七軒町の拙亭からも、かなりのご近所。

知っている方はほぼいない、か。

去年、西浅草二丁目、合羽橋裏通りの[十八番]を書いたが、
ここも同じくとんねるずの“きたなミシュラン”。

“町中華”ともいえるのか。

前から知ってはいたのだが、家にいる時間が多くなったので
行ってみた。

と、これがかなりのレベル。

昼に週一で行くようになっている。

うなぎの[やしま]さん、小島町交番の交差点。
春日通りと左衛門橋通りの交差点を南に歩き、
一つ目の信号を右に曲がって右側。

二階建ての一軒家、、、いや、隣の電機やさんと
つながっているので二軒長屋(?)。

ペプシコーラの錆びた看板に緑シートの庇屋根。
白地に赤のラーメン模様と“中華料理”が
染め抜かれた暖簾。

ほぼ読めなくなったいる錆びたペプシの看板というのもかなり渋い。
いつのものなのか。
「ラーメンデータベース」によれば創業は1968年とのこと。
その頃のものかもしれない。

店の前にはビーチパラソルにテーブルと丸いパイプ椅子が
出ている。

やはりこの界隈でもある意味独特の空間が出来上がっている。

最初に入ったのは旧臘である。
お昼は、ほぼいつも満席。
外で待つ人もいるし、この寒さだが外のテーブルで
食べる強者(つわもの)グループもいるほど。

最初はやはり、半チャンラーメン。

まず、ラーメンから。
麺はこれもご近所、浅草開化楼製。

カイワレ、メンマ、チャーシュー、ナルトでシンプル。
スープはかなり澄んでいる。

食べみるとスープが秀逸。
懐かしの中華そば、などというコメントもあるようだが
そんなものではなかろう。

現代のラーメンやとしても立派に張り合える味
なのではなかろうか。

町中華には珍しい魚介の風味も感じられるように
思われるのだが。

半チャーハン。

これはまあ、ノーマル。
普通にうまい。

混みあっているので食べ終わったらすぐに
席を立つのがマナー。

店は恰幅のいい(ため口の)下町のお姉さんが外(そと)。
中は、かなり年齢がいったと見える小太りでごま塩の
お父さん、ご主人。かなりこの方、愛想がいい。
いらっしゃいませ、毎度ありがとうございます。
お客すべてに声を掛ける。
それから、奥さんらしいお婆ちゃん。
そして、息子さんであろか婿さんであろうか、
黙々と手伝うそのそこ年齢のいった男性。
三人だからか引きも切らさないお昼のお客も
どんどんとさばいていける。

さて。
ここの看板は、なぜだか、ナシゴレン。(残念ながら未食。)
なんでも、ご主人がインドネシア大使館に勤める
友達から習ったという情報。
ナシゴレンが一般に知られる前からのメニュー
なのかもしれない。
半チャンもあるが、半ナシ(ゴレン)もあって、
ラーメン以外の他の麺とも組み合わせは可能。

食べたものをどんどん書こう。
ここ、ほぼどれもはずれはない。

ご飯ものもうまい。

名前は肉丼であったか。

豚肉と玉ねぎのあんかけ。

やはり、東京の町中華の名店に共通する濃い味。
これがうまい。
スープはラーメンと同じものと思われるが、
うまい。

肉丼がうまかったので、定番の中華丼。

これも濃いめ。
野菜もうまい正しい中華丼。

もやしあんかけ、という名前だったと思うが、
店中ではサンマーメンといっていた。

しょうゆ味のもやし肉あんかけなのだが
なにか、味のポイントがはっきりしなかった。

サンマーメンといえば横浜名物であるのを知ってはいるが
食べたことはないので、こんなものなのかは、わからない。

これは定番。
タンメン。

スープは塩。ラーメンと同じものなのか、はっきりしないが
野菜を炒め、スープで煮た、熱々な正統派タンメン。
かなりうまい。

この寒い季節には実によい。

メニューはまだまだある。
これからまだ、たのしみである。

一つ、おまけ。

これは直近1/25。
合羽橋の[十八番]へも久しぶりに行ってみた。

うまにそば。
たっぷりの野菜と豚肉。
やはり、厳寒の今には温まって実によい。
濃い味が[幸楽]と甲乙つけがたい。

どちらもなくなってほしくない、
この界隈の宝。
断腸亭勝手に指定、台東区無形食文化遺産である。

 

 

幸楽
台東区小島2丁目1−3
03-3866-5900

 

 

 

 

 

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