断腸亭料理日記2023

カオマンガイ

4302号

3月19日(日)夜

さて、カオマンガイ、で、ある。
これ、ご存知であろうか。

タイ語。
正確にはカオ・マン・ガイ(khao man kai)で、
タイ語で、カオは米、マンは油、ガイが鶏とのこと。

シンガポールの海南鶏飯、チキンライスと
広くは、同じもの。

鶏の出汁で炊いたご飯に、ゆでたor蒸した鶏を
のせたもの。
簡単なものなので、屋台のようなところで食べるもの。

ウィキペディアによれば、このあたり、なぜか
ベトナムにはないようで、中国の香港、海南島から、
マレーシア、シンガポール、タイで食べられている
という。中華系の人々のもの、ということか。

なぜカオマンガイを食べてみようと考えたかというと
TVでタイのリゾートタウンで一番うまいという
カオマンガイをやっていたから。
かなり、うまい、と。

タイには行ったこともなく、シンガポールは
トランジットだけで、ネイティブなカオマンガイ、
海南鶏飯は食べたことはないが、日本国内で
食べたことはあると思うが、あまり覚えていない。
その程度なので、今一つピンときていない。

鶏飯(とりめし)にゆで鶏をのせただけ?!。

え?、そんなものがうまいのか?、ではないか!。

文字通り、そういうものもあって、
過去、そういうものを食べたのかもしれぬ。

そもそも、私はタイ料理は得意ではない。

理由は簡単。
パクチーがだめだから。

もう一つ。
ココナッツミルク入りのカレーがダメ。

ココナッツミルクは甘いものであろう。
塩味のある食事系料理に入ったものの違和感から
まだ脱出できていない。
それもあってタイにも行ったことがない。

だが、カオマンガイ、どこかで
食べられないか探してみた。

するとレストランではなく、浅草松屋に入っている
持ち帰りの[チャンロン]というところを見つけた。
家で食べられるのは手軽でよいかもしれぬ。

買ったことはないが、地下の銀座線から入って
すぐのところにタイ料理のデリカがあったのは
知ってた。

と、いうことで、雷門の[まぐろ人]で鮨を食ってから、
松屋にまわってみた。

あった、あった。
[チャンロイ]で無事、カオマンガイ、949円也を
調達して、帰宅。

[チャンロイ]というのは大手町、アークヒルズに
レストランがあり、デリカもなん店か展開している
ところのよう。

これ。

うわぁ〜、やっぱりパクチーがのっている。
カオマンガイにものせるのか?。

タイの人々が皆パクチーが好きなのかというと
そうでもなくきらいな人もいると聞いたこともある。
韓国の人が皆、辛いものが得意なわけではない
というのと同じであろう。

ただ、日本のタイ料理好きの人は、おしなべて
パクチー好き、のような気がする。
それでやっぱり、パクチーは日本のタイ料理では
必須、なのであろう。

ともあれ。
どうするのであろうか、これ。

やっぱり温めた方がよいのだろう。

生のきゅうりと、赤いパプリカ、パクチー、それから
添えられているたれをはずして、レンジ自動。

温まった。
パクチーはむろん除外し、それ以外をもどす。

ビールを開けて、食べる。

ん!。
はっきり言って、これ、うまい。

鶏も、飯もうまいのだが、やっぱりこのたれ、
なのであろう。
鶏をたれにつけながら食べたのだが、
全体にかけまわしてもよかったのかもしれぬ。

シンガポールの海南鶏飯はまた違うたれらしい。

このタイのカオマンガイのたれの味の決め手は
タオチオという液状のタイの味噌らしい。

これ。

日本でも入手は可能のよう。

カオマンガイのたれには、これに、にんにくが
入っているという情報。

不思議なデザインのラベルだが、漢字表記も入り、
やはり強く中華のにおいがする。

タイという国は、我々が今思う以上に華僑の歴史が古い。
13世紀のタイ最初のスコータイ王朝の頃には既に
華南地方の商人が渡来しているともいう。
また、そもそもタイ族という民族のルーツは中国雲南地方
であるとも。

ガパオライスも中華のオイスターソースを使う。
タイカレーやトムヤムクンなどと、この中華系
タイ料理のラインは明らかに違っているように見える。
そして、ガパオライスもカオマンガイも
日本人にも馴染みやすい味。

やはり、タイの食において、中華系はある一角を
占めているのであろう。
なかなかユニークな食文化であろう。
そして、意外にこれ、タイという国の姿のような
気もするのだが、どんなものか。

 

チャンロイ

 

 

 

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