断腸亭料理日記2024

とんかつ檍のカレー屋・いっぺこっぺ・
秋葉原店 妻恋坂界隈

4489号

1月23日(火)第一食

さて、今日はなにを喰おうか。

かつカレーはどうだろうか。
昨年初めて行った、末広町のとんかつ檍の[いっぺこっぺ]。

末広町、妻恋坂交差点から昌平橋通りを南に下がった
ところ。

現代の地図。

今、神田明神下から湯島天神下へ通っている昌平橋通り。
千代田区、文京区、台東区、三つ区の境でもある。
また、湯島、本郷、神田明神の台地と下谷の低地の
境でもあり、なん本もの坂がある。

江戸の地図。

昌平橋通りは、一か所、クランクになっているが、
ほぼ同じところを通っている。

現代との違いは、このクランクと、蔵前橋通り。
蔵前橋通りはここでは妻恋坂の南に新妻恋坂と
なっている。

北側の妻恋坂は現代も江戸のまま同じところにある。

妻恋坂などとまた、乙な名前である。

これは、今も妻恋坂上近く右側にある妻恋神社(稲荷)
に由来するという。
逆ではなく、神社が先のよう。

もとは、湯島天神の方にあり、明暦大火後、現在地に移転し
坂の名前になったとのこと。(東京都教育委員会掲示)

では妻恋神社はいったいなにかというと、なんでも
ヤマトタケル伝説に由来するよう。

ヤマトタケル東征時、相模の走水で入水したオトタチバナヒメを
忍び「アヅマハヤ」と叫んだ。この解釈は様々あるが、ここでは
妻を恋い慕う意味に取っている。そして、湯島がヤマトタケルの
野営地の跡ということのよう。(妻恋神社

この神社が古い歴史を持っていることはある程度
確からしいだろう。
この神話の信憑性はともかくとして、鳥越神社は主祭神であるし、
この界隈の古い神社はヤマトタケルに関係するものが
複数あるのは偶然ではないかもしれない。

ともあれ。

今日気になったのは、最初に書いた江戸の頃のクランクと
新妻恋坂の蔵前橋通りがいつできたのかということ。

今のこのあたりの文京区と千代田区の境は妙なところを
通っており、これが江戸期以来のこの通りだったよう。
どこかで、新妻恋坂を作り、昌平橋通りを真っすぐ
北進するようにしたようにみえる。

これ、意外に簡単にわかった。

昭和16年(1941年)の地図。

ここで現代と同じ、クランクがなくなり、
新妻恋坂=蔵前橋通りができている。

つまり、タイミングは関東大震災後。

明治の地図も手元にあるのだが、江戸と変わらない。

東京の街というのはざっくりは、江戸初期の家康の町割りを
踏襲している。
で、震災後、多くの東京下町の江戸以来の狭い通りは
広くされ、ある程度の再区画整理もされ、また、昭和通り
などいくつかの幹線道路が作られ、また古い堀が埋められて
いる。家康、あるいは明暦以来の江戸東京の街の微妙な
手直し、といってよろしい。ここもその一つであった。

閑話休題。

[いっぺこっぺ]であった。

15時前到着。

入って、券売機。

ここには、特ひれかつ2500円也を筆頭に
ノーマルな定食もあるが、やっぱり、最も安い
ロースかつカレー1200円也にしよう。

さすがにこの時刻、お客は2、3人。

カウンターに掛け、待つ。

ややあって、きた。

切り口。

やっぱりここは、カレースタンドでもなく、
上質な、とんかつや。

ぶ厚いロース肉で、中は柔らかく揚げられている。

カレーを掛けて食べてしまうのがもったいない。

一切れに塩を掛けて、食べる。

やっぱり、うまいもんである。

これ、どういう食べ方をするのが理想的なのか。

すべて、かつを塩で食べると、かつカレーの
意味がない。
だが、やっぱりもったいない。
かつだけで食べたくなる。

作っている人、店ではどう考えているのであろうか。

結局、最後の一切れだけをカレーと合わせて食べた。

ともかくも、うまかった、うまかった。
充実の一皿。

これで1200円。
かつカレーとしては、安くはないが十二分に
価値はあろう。

ご馳走様でした。

 

とんかつ檍

千代田区外神田3-5-3
03-6384-0015

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。

 

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月 |

2020 12月 | 2021 1月 | 2021 2月 | 2021 3月 | 2021 4月 | 2021 5月 | 2021 6月 | 2021 7月

2021 8月 | 2021 9月 | 2021 10月 | 2021 11月 | 2021 12月 | 2022 1月 | 2022 2月 | 2022 3月 |

2022 4月 | 2022 5月 | 2022 6月 | 2022 7月 | 2022 8月 | 2022 9月 | 2022 10月 |

2022 11月 | 2022 12月 | 2023 1月 | 2023 2月 | 2023 3月 | 2023 4月 | 2023 5月 |

2023 6月 | 2023 7月 | 2023 8月 | 2023 9月 | 2023 10月 | 2023 11月 | 2023 12月 |

2024 1月

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2024