断腸亭料理日記2016

鳥料理・人形町・玉ひで その1

3月7日(日)夜

さて。

引き続き、日曜日。

鯵はちょいとお休みして、夜は人形町の[玉ひで]に
行くことにした。

気分としては和食の老舗でちょっと寛いで
食べたかった。
条件は日曜夜にやっているとこと、で、はある。

まあ知らない人は少なかろう。
お昼の親子丼目当ての行列は、有名。

だがむろん親子丼専門店ではなく、軍鶏鍋や、
で、ある。

軍鶏鍋の老舗というのは、東京になん軒かある。

[玉ひで]が最も有名かもしれぬが、
神田須田町の[ぼたん]
私としては、軍鶏鍋ではここが贔屓なのだが、
日曜休み。

両国の[ぼうずしゃも]

あとは行ったことはないが、同じく両国[かどや]。
湯島[鳥栄]あたりか。

今回[玉ひで]は実のところ初めて。
こんなに有名なのに、初めて、というのは、
まあ、あまりにも有名なので、避けていた、
というところ。

夜、7時に予約をして、内儀(かみ)さんと出る。
人形町まではタクシー。

場所はご存知の通り、甘酒横丁の人形町通りを越えた右側。

ここの創業は1760年(宝暦10年)。
宝暦というのは、田沼時代の直前。
吉宗との間。
幕末まで、まだ百年ある。

江戸の地図


「池波正太郎と下町歩き・人形町編」

当時は住吉町(今の人形町交差点あたり)であったという。

本業は幕府の御鷹匠であったという。
屋号は[玉鉄]。

[玉ひで]になったのは明治30年頃という。
(“ひで”は五代目の名前が由来のよう。)
また、この頃のことのようだがここは親子丼発祥の店
ともいわれている。

当代で八代目。
現代に続く東京の老舗料理やとしては、かなり古い方になる。

格子を開けて入ると、玄関の下足に着物姿のお姐さん。
(若女将?)

名前をいって、あがる。

ちょっと急な階段。
昔風に梯子段といった方がよいかもしれぬ。
人形町界隈は、戦災で焼けていないところが多く、
ひょっとすると、ここもきれいにしてあるが、
建物は古いものが残っているのかもしれぬ、

座敷は広間でテーブルに椅子。
広間以外に、個室もあるよう。

最近、どこの老舗も畳の上にテーブルと椅子を
置いた席が増えている。
年配の方にはこちらの方がよいのであろう。

軍鶏鍋の一番安い、8,800円也を頼んでおいた。

ビールをもらって、お通しはそぼろ。


むろん軍鶏なのであろう。


次はスープ。


かなり濃厚。

前菜三種の盛り合わせ。


左から、烏骨鶏の玉子。
これは甘め。

軟骨柔らか煮。
これは薄味。

レバーの煮たもの。
くさみなく、柔らか。

鶏の生ハムとからし菜。


鶏の生ハム?

たたきじゃないの?と、思ったら、ちゃんとスモークの香りがする。
からし菜というのは私は初めて。
辛子やわさびの類ではなく、菜っ葉(アブラナ科)の類のよう。
(わさびもアブラナ科のようだが。)
確かに、辛みがある。

ここまでで、前菜終了で、いよいよ軍鶏鍋。
ここは全部お姐さんがやってくれる。

カセットコンロにふたのない陶器の鍋。
皮が入った割り下か。

脇に置かれた、材料。


塗りの器に、ねぎに豆腐、白滝。
右側が鶏肉で、胸ともものよう。
温泉玉子に、右がつくねになるのか、挽肉。

むね肉ともも肉から煮て、取ってくれる。


胸とももでなぜだか色が違う。

東京軍鶏、と、いっている。
かなり堅め。


つづく

 


玉ひで

 




 

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