断腸亭料理日記2024

浅草寿・とんかつ・すぎ田

4524号

3月10日(日)夜

さて、日曜日。久しぶり。

寿町のとんかつ[すぎ田]。

一年ぶり?。

そんなにきていなかったか。

2024年版のミシュランを見直してみると、
今年もピブグルマンで掲載。
もうすっかり定着しているよう。
なによりのこと。

浅草というところは、国際劇場隣にあった初代[河金]だったり
歴史的にとんかつやが多数あり有名店も多くあったのだが、
気が付くと、名店老舗はなくなっている。新規の店も
あるにはあるがあまり通う気になるところがないのが
正直のところ。これを土地柄、というのであろうか。
特に近年観光需要の高まりもあってか、地に足が付いていない、
という気もするが、まあ、もともと、流行の街であったわけで、
そこを生き残るのが本当の老舗ということなのかもしれぬ。

そんな中[すぎ田]は浅草でも蔵前寄りで、浅草中心部の喧騒から
離れているのがよろしいのかもしれぬ。

[すぎ田]は昭和52年(1977年)先代が雷門近くで創業、
その後、今の場所に移っているよう。
今年で、47年である。
そんなわけで浅草のとんかつやとしては立派な老舗であろう。

私は、名物親爺の先代の頃から行っている。
先代が亡くなって、一時はどうなることかと気を揉んだ
ものだが、二代目の顔はもう、堂々としたもの。
流石のミシュラン掲載店である。

一応、18時に予約。
内儀(かみ)さんとぶらぶら歩いて、出掛ける。
今日の最高気温は13.6℃(13時36分)であったが
この時間になると、さすがに随分と寒い。

先代の頃は、これでもかと店頭をライトで
明るく照らしていた。
代が変わって、だいぶ明るさは落としているが
それでも店頭は明るい。

ドアを開けて入る。

名乗る。

カウンターはほぼ満席。
奥の座敷も入っている。

カウンターの一番奥へ。

掛けて、ビール。

ここは、なぜか昔からキリンはなくて
アサヒかサッポロ。
サッポロの黒ラベルを頼む。
そういえば、昨日の千束のふぐやもこれであった。

浅草は地元のアサヒがあるのが、わかるのだが、
キリンはなくサッポロというのは、どうした
わけであろうか。
値段か。

注文はもうなん年も私たちは同じ。
そういえば、ここのメニューは、先代の頃から、
まったく変わっていないのではなかろうか。

頼むのは、ロース、ロースソテー、海老フライ。
ご飯と味噌汁付き。

とにかく、内儀さんはここのロースソテーが
大好物である。
これが食べたくて、ここにくる。
まあ、とんかつや、なのだけれど。

ビール。

お通しは、うにくらげ。
先代から同じうにくらげなのだが、代が変わって
これは明らかにうまくなった。

ロースカツがきた。

厚みがある肉で、脂身もしっかり残してある。

切り方と盛り付け方は、少しずつ、変わっている。

左側の端は完全に切り口を上に向け、真ん中に
少し間を開け、気持ち扇型に広げる。
前回と見比べると、やっぱり左の一切れをひっくり返す
のはこの一年の変化。

やっぱり、塩、で、ある。
脂身もそれほど重く感じないのはなぜであろうか。
油切れのよさ、かもしれない。
三度揚げ。
もう一軒の私がよく行く[ぽん多本家]とは対照的
で、ある。

ロースソテー。

バターとしょうゆ、そしてウイスキー。

こってりかつ、よい香り。
他では食べたことのない唯一無二では、なかろうか。

そして、海老フライ。

いつも、ここの海老フライは、特大が売り、なのだが、
今日はだいぶ小ぶり。
値段は時により、大きさにより違うのでよいのだが。

だがむろん、味はよし。
ぷりぷり。
タルタルソースもたっぷりで、うれしい。

そして、ご飯と豚汁、お新香。

ここの豚汁は、どうであろうか、上品、なのでは、
なかろうか。
薄い銀杏切りの大根とにんじん。
うまみは強いのだが、すっきり。

いつも通り、うまかった。
ご馳走様でした。

会計は二人で、10,500円也。


すぎ田

台東区寿 3-8-3
03-3844-5529

 

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。

 

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月 |

2020 12月 | 2021 1月 | 2021 2月 | 2021 3月 | 2021 4月 | 2021 5月 | 2021 6月 | 2021 7月

2021 8月 | 2021 9月 | 2021 10月 | 2021 11月 | 2021 12月 | 2022 1月 | 2022 2月 | 2022 3月 |

2022 4月 | 2022 5月 | 2022 6月 | 2022 7月 | 2022 8月 | 2022 9月 | 2022 10月 |

2022 11月 | 2022 12月 | 2023 1月 | 2023 2月 | 2023 3月 | 2023 4月 | 2023 5月 |

2023 6月 | 2023 7月 | 2023 8月 | 2023 9月 | 2023 10月 | 2023 11月 | 2023 12月 |

2024 1月 | 2024 2月 | 2024 3月 |

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2024